...後の人力車に乗つてゐた彼は少しもこのランデ・ブウに興味のないことを怪みながら...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...クオラツクスと云ふ言葉は唯意味のない間投詞ですから...
芥川龍之介 「河童」
...受影をしてみるというのは意味のないことではないか...
海野十三 「ある宇宙塵の秘密」
...やわらかで味のないのが鶏舎飼いの証拠ですよ...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...意味のない握手だった...
太宰治 「パンドラの匣」
...啓蒙の対大衆的活動はあまり意味のないものとさえなって了いそうだということである...
戸坂潤 「啓蒙の現代的意味と役割とについて」
...そして彼以外にはだれにも興味のないその些細(ささい)な無駄話や...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...極めて平凡な新味のないアンダンテに...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...どうも今日(こんにち)僧院でしてゐる事が興味のないものになつてしまふ...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...これまで甘味のない塩ぜんざいばかり食べさせられていた子供が...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...って? そんな意味のない言葉が何になるんです? まったく意味がないことですよ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...意味のないことをいった...
久生十蘭 「キャラコさん」
...勝ち味のないことは...
火野葦平 「花と龍」
...意味のない洞ろな高笑ひで...
牧野信一 「酒盗人」
...」「この頃の君の仕事は俺の鶴の仕事ほど君にとつては煩雑なわけなの? え、樽野?」「貴様と同じやうに俺は現実のことには面白味が持(もて)ないんだ、あゝツ!」「落ついて呉れ、樽野、一途に興奮しないでくれ、俺は何だか悲しくなつて来たよ、わけが解らない! 君が非常識であることも知つてゐる、忘れつぽい男であることも……」「常識はあるよ、貴様位ゐになら――そんなものが何も彼も面白くなくて面倒で……」「それは俺だつて、だから俺は……」「馬鹿気て煩雑なこと、卑俗な生活、興味のないこと、それだつて頭が悪いから細かには覚えてはゐない……そいつを空想を交へずに何とか思ひ出しては書き綴つてゐる...
牧野信一 「鶴がゐた家」
...大抵の方はこの法悦の気持に入ることが出来るだらうと思ひます――意味のない悲しさと悦ばしさとに感ずる淡い涙...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...こいつはまるで文学趣味のない男だな...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...」二人は強いてこんな意味のない言葉ばかりを探さねば...
横光利一 「旅愁」
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