...さうして各聯の上下二句を誇張を交へたるのみによつて緊密に限定し過ぎたるが故に最も周匝なるが如くにして最もフラ/\したものとなつてしまつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...点けた許りの明るい吊洋燈(つりランプ)の周匝(あたり)には...
石川啄木 「菊池君」
...周匝は何時でも平和だ...
石川啄木 「菊池君」
...その周匝(あたり)の風物としつくり調和してゐた...
石川啄木 「札幌」
...其周匝(まはり)には粗末な木柵がらしてあつた...
石川啄木 「散文詩」
...其周匝(まはり)を一疋の小犬がグル/\と廻つて頻りに巡査の顔を見て居るのを...
石川啄木 「雪中行」
...其周匝(めぐり)には五六人の男の児が立つて居て...
石川啄木 「葬列」
...女乞食の周匝(めぐり)に立つて居た児供(こども)の一人が...
石川啄木 「葬列」
...周匝(あたり)にひゞく駒下駄の音を石甃(いしだゝみ)に刻み乍ら...
石川啄木 「葬列」
...女乞食の周匝(めぐり)に立つて居た兒供の一人が...
石川啄木 「葬列」
...口の周匝(まはり)を囲むやうに下向きになつた薄い髭...
石川啄木 「道」
...周匝(あたり)の木々の葉裏にはもう夕暮の陰影(かげ)が宿つて見えた...
石川啄木 「道」
...周匝(あたり)がぼうつとして来た...
石川啄木 「道」
...彼の婦人に関する用意の周匝(しゅうそう)懇篤なる...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...周匝(まわり)の役者に構わずに己(うぬ)が声を己(うぬ)が聞いて何にも胸に感ぜずに楽屋に帰ってしまうように...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...獨自の意見と周匝なる批評とを忌憚なく發表する程の人であつたから...
村越三千男 「大植物圖鑑」
...周匝(めぐり)に扇形の皿八枚を置いた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...身の周匝(まわり)を見廻した...
森鴎外 「木精」
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