...媚を先輩に呈することによつて僅にその存在を保つ「寄生蟲」と...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...毎年誕生日に多少の物品を贈呈するのみ...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...次第に一家の主人たる観を呈するに至った...
大隈重信 「婦人問題解決の急務」
...出版元から「著者の言いつけに依(よ)り貴下に一部贈呈する」という意味の送状が附け加えられていた...
太宰治 「惜別」
...之(これ)を贈呈するという案である...
太宰治 「ろまん燈籠」
...昨夜の悪友が今朝また省線で顔を合わしたような平旦な一街上劇の観を呈するんだが...
谷譲次 「踊る地平線」
...ちょうど荷物の包み紙になっていた反古(ほご)同様の歌麿(うたまろ)や広重(ひろしげ)が一躍高貴な美術品に変化したと同様の現象を呈するかもしれない...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...二つはそれ程違ったものではないという外観を呈することも指摘しておかなければならぬ...
戸坂潤 「思想としての文学」
...西行(さいぎょう)に銀製の吾輩を進呈するがごとく...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ドニェープルは世にも凄まじい光景を呈する! 丘のやうな波濤が轟々と鳴つて山裾にぶつかり...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...此の間から三郎のこときいてゐるので苦言を呈するつもりでゐたところ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...あの顕微鏡は紀念に贈呈するわ――それはさうと妾はすつかり流ちやんを瞞してゐるのよ...
牧野信一 「女優」
...徳田秋声氏や菊池寛氏や里見氏の長篇小説が文芸雑誌に連載されたらやはり文壇に活気を呈するであらうと思はれるのである...
牧野信一 「浪曼的時評」
...葉は質が鈍厚で表面は緑色を呈するが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...花がすむと堅き粒状の小実を宿存蕚の中心に結び平滑で遂に真珠色を呈するに至るが...
牧野富太郎 「植物記」
...群れて美観を呈するのも案外なものであった...
柳田国男 「雪国の春」
...一般人が輕々しくこれを自負するとすれば弱體を露呈するの虞なしとせぬ...
山浦貫一 「新憲法の解説」
...百日の富士は百日の異景を呈するに非ずや...
山路愛山 「詩人論」
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