...餓孚途に横はるやうな慘状を呈するやうになれば...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...そして事件はようやく迷宮入りくさい観を呈するに至った...
海野十三 「心臓盗難」
...互に其説を異にするの奇観を呈するに至れり...
高木敏雄 「比較神話学」
...出版元から「著者の言いつけに依(よ)り貴下に一部贈呈する」という意味の送状が附け加えられていた...
太宰治 「惜別」
...島地の商業に便利を呈するはたいていの場合において大陸諸国よりはるかに大なるものとす...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...発達するという表面現象を呈する...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...人間の考へてゐる至福が常に吐剤の効果を呈するが如き人々に限られて居るのだ...
ボードレール 富永太郎訳 「人工天国」
...又た理由を説明せずに斯る上奏文を捧呈するのは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...彼が次第に穏和になってついには賛辞を呈するのを見ては...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...」自分は書物を手に取つて小聲で讀み出した―――日本の首府も電燈や電車や銅像や煉瓦造りや鐵橋などに飾られて歐米第一の都會と同一の壯觀を呈するのも一二年の中であらう...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...或ひは此の海と空の華麗さを呈するかも知れないと...
中島敦 「環礁」
...「弥撒(ミサ)ロ短調」は厳然としてエヴェレストの観を呈する...
野村胡堂 「楽聖物語」
...追々阿鼻叫喚の盛況を呈することとなったが...
久生十蘭 「魔都」
...輸出高益(ますます)減退するの悲況を呈するに至れり...
福田英子 「妾の半生涯」
...ハチクの花と同状貌を呈する事を...
牧野富太郎 「植物記」
...春闌(たけな)わにして日光を受け競うて小なる黄色の頭状花(舌状花より成る)を開きすこぶる美観を呈する...
牧野富太郎 「植物記」
...このたび「明治文士」といふ演劇大入に付(つき)当世の文士諸君を招いて聊(いささ)か粗酒を呈するのである...
正岡子規 「墨汁一滴」
...こうした現象を呈するのは注意すべきことである...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
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