...生憎その時は元来酸過多の胃嚢(ゐぶくろ)が一層異状を呈してゐた...
芥川龍之介 「僻見」
...何のことはない綿祭りのような光景を呈した...
海野十三 「時限爆弾奇譚」
...支那の現状はほとんど大なる財産家がその一大宝庫を開いて公衆に分与しつつあるが如き観を呈している...
大隈重信 「三たび東方の平和を論ず」
...何かというと此の次女に勲章を贈呈したがるのである...
太宰治 「ろまん燈籠」
...ひとりでに淡紅色を呈して...
近松秋江 「黒髪」
...発達するという表面現象を呈する...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...例の腕環の贈呈式をなすった時には...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...「この上半を君に進呈し...
中里介山 「大菩薩峠」
...どう云う訳だろう」と独仙君は独仙君だけに時局問題には関係のない超然たる質問を呈出した...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...蜘蛛網膜は両半球に亘って、大部分肥厚し、白濁を呈す...
久生十蘭 「泡沫の記」
...声望隆々として旭日(きよくじつ)の如き勢を呈せしは明治十五六年より同十八九年の交に在りき...
山路愛山 「明治文学史」
...頼該に呈出する覚書ができあがった...
山本周五郎 「新潮記」
...僕は日本から取(とり)寄せて捧呈(ほうてい)することを約した...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...この原板を無償で進呈してもいいことよ...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...こういう一案を呈した...
吉川英治 「三国志」
...降参船(こうさんぶね)一「この大機会を逸してどうしましょうぞ」という魯粛(ろしゅく)の諫(いさ)めに励まされて、周瑜(しゅうゆ)もにわかにふるい起ち、「まず、甘寧(かんねい)を呼べ」と令し、営中の参謀部は、俄然、活気を呈した...
吉川英治 「三国志」
...宵すぎから茶堂らしくない殺伐な酒景を呈していた...
吉川英治 「私本太平記」
...こんなにも芋(いも)を洗うような混雑を呈したとは...
吉川英治 「新書太閤記」
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