...「あらごらんよ、踊っているからさ」と云う甲走(かんばし)った女の声も聞える――船の上では、ひょっとこの面をかぶった背の低い男が、吹流しの下で、馬鹿踊を踊っているのである...
芥川龍之介 「ひょっとこ」
...また一時七夕の飾物の笹が大流行で、その笹に大きいものを結び付けることが流行り、吹流しだとか、一間もあろうかと思う張子(はりこ)の筆や、畳一畳敷ほどの西瓜の作(つくり)ものなどを附け、竹では撓(たわ)まって保てなくなると、屋の棟(むね)に飾ったなどの、法外に大きなのがあった...
淡島寒月 「江戸か東京か」
...白地の手拭(てぬぐい)を吹流しの……妙な拵(こしらえ)だと思えば……道理こそ...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...所謂さつきの鯉の吹流しの...
太宰治 「お伽草紙」
...所謂さつきの鯉の吹流しの...
太宰治 「お伽草紙」
...追憶の鯉幟吹流しがへんぽんとして泳いでゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...敷きかけた蒲団(ふとん)を吹流しのように持ったまま...
中里介山 「大菩薩峠」
...女の髪は吹流しのように闇(やみ)の中に尾を曳(ひ)いた...
夏目漱石 「夢十夜」
...埃(ほこり)除(よ)けの手拭を吹流しに冠って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...手拭を吹流しに冠って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お蔦 (飴の景物につける小さな幟と吹流しを作っている)お君(十歳か十一歳)折ってきた山桜の枝を位牌に供えている...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...吹流しにする色紙入りの笊(ざる)を投げつけ...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...粧々(けばけば)しい旗や吹流しを朝風に吹き靡かせながらやって来...
久生十蘭 「魔都」
...口からクリスマスの祝歌を書いた吹流しを出していました...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...紅白の吹流しで風流なところが妙...
山本笑月 「明治世相百話」
...角の櫓(やぐら)に紅白の吹流し...
山本笑月 「明治世相百話」
...その草分けともいうべき野見の撃剣道場が紅白の吹流しを目印しに...
山本笑月 「明治世相百話」
...鯉の吹流しみたいですな...
吉川英治 「随筆 新平家」
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