...裏庭からも吹き通る...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...弗(ふっ)と幾陣(いくしきり)か斜(はす)に吹き通る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...私達は涼風の吹き通る旅館の部屋で...
外村繁 「落日の光景」
...そのすき間を風が吹き通るとき笛のように小音を立てる...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...よしたまえ」初夏の風の吹き通る十二畳の日本間...
野村胡堂 「胡堂百話」
...斬りつけるようにビュウと吹き通る...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...狭い通りを吹き通る風のあおりで...
久生十蘭 「あなたも私も」
...涼しい風の吹き通る甲板で〈アリアーヌと青髯〉のロマンスを聞きながらラムネを飲んでいると...
久生十蘭 「だいこん」
...風の吹き通る広々とした構内をドライヴして行くと...
久生十蘭 「だいこん」
...高い梢を微風が吹き通るような...
久生十蘭 「魔都」
...船室の扉に鍵をかけて冷たい風の吹き通る遊歩甲板へ出ると...
久生十蘭 「予言」
...牧草(ぼくさう)の原ひろくして楡の木の円き蔭のみ置く真昼かなまばらなる楡(にれ)の並木に風立ちて川の如くに光る牧草(ぼくさう)乾きたる煉瓦の色の雲のもと遠く明るき草の色かな聞くは唯だひろき草より立つ風の楡(にれ)の並木を吹き通る音首のべて柵(さく)のなかより見送りぬ忙(せは)しき旅を知らぬ羊らいにしへの公主の馬車も遠く来てこの楡(にれ)の木に風を聞きけん撫順に到る...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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