...白い風がそこをしきりに吹き抜けた...
梅崎春生 「狂い凧」
...吹き抜けるように洞内にひびいた...
梅崎春生 「桜島」
...何もかも風のようだ! 私は私の胸の空洞を吹き抜ける風の悲しい密度を感じながら...
梅崎春生 「風宴」
...それを吹き抜けるとそこここにわずかな支えばしらをのこして大きな空洞をうがち...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...そのとき一七八八年以来の記録にない氷の風が北極から露西亜(ロシア)と波蘭土(ポーランド)の野原を吹き抜けて欧羅巴(ヨーロッパ)の主要部分の都会の記念塔とアパルトマンの窓枠とを痛そうに揺すぶっていた...
谷譲次 「踊る地平線」
...それから大声で(それは麦畑の穂の列を吹き抜けて行く...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...その室と室とを通ずる扉(ドア)は空気がどの室をも自由に吹き抜けられるようにと開(あ)け放してあったので...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...ひとかぜ部屋を吹き抜けねば...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「踊る人形」
...素肌(すはだ)を臍(へそ)のあたりまで吹き抜けた...
夏目漱石 「二百十日」
...大体吹き抜けの空筒(からづつ)で何でも隠さないところがよい...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...通りと階段部とのあいだには強く吹き抜ける風が立って...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...岩肌をさわやかに吹き抜ける海風が浮かんでいた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...一陣の寒風が颯つと吹き抜けた概で...
牧野信一 「病状」
...往来を吹き抜けて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幸福への意志」
...護謨林を香吹き抜けし士乃道(セナイミチ)士乃(セナイ)に着く...
横光利一 「欧洲紀行」
...けれど藤夜叉の胸には風の音ぐらいにしかそれは吹き抜けていなかったのだ...
吉川英治 「私本太平記」
...正季は体の中を何かに吹き抜けられる気がした...
吉川英治 「私本太平記」
...……わああっという新田勢の潮の声が体を吹き抜け...
吉川英治 「私本太平記」
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