...白い風がそこをしきりに吹き抜けた...
梅崎春生 「狂い凧」
...それを吹き抜けるとそこここにわずかな支えばしらをのこして大きな空洞をうがち...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...それから大声で(それは麦畑の穂の列を吹き抜けて行く...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...かと思うと吹き抜け風がむっと吸いさしの煙草の臭(にお)いを吹きつけたりした...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...床下を風が吹き抜けるように造ってある...
中谷宇吉郎 「白い月の世界」
...大体吹き抜けの空筒(からづつ)で何でも隠さないところがよい...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...冷い風が吹き抜けてゐる...
林芙美子 「浮雲」
...白々と体の中を風が吹き抜けるやうな静けさにもどる...
林芙美子 「瑪瑙盤」
...風のように人生を吹き抜けて行く...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...寒い風が身を切らんばかりに吹き抜けていくのだった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...通りと階段部とのあいだには強く吹き抜ける風が立って...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...段丘を吹き抜けて来た烈風は...
本庄陸男 「石狩川」
...自づと涼風の吹き抜ける深々とした木陰で...
牧野信一 「創作生活にて」
...一陣の寒風が颯つと吹き抜けた概で...
牧野信一 「病状」
...ヒューヒュー音立ててそこら堆い萩の枯葉を動かしてはしきりと次郎吉の身体全体を吹き抜けていく夕風も...
正岡容 「小説 圓朝」
...往来を吹き抜けて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幸福への意志」
...護謨林を香吹き抜けし士乃道(セナイミチ)士乃(セナイ)に着く...
横光利一 「欧洲紀行」
...……わああっという新田勢の潮の声が体を吹き抜け...
吉川英治 「私本太平記」
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