...然るに湧き返る青年達の血潮は玄海灘から吹きつける肌寒い夜風位いには驚きません...
青柳喜兵衛 「夢の如く出現した彼」
...まともに吹きつける埃風の中にW君の軽薄を憎みながら...
芥川龍之介 「漱石山房の冬」
...皆一樣に吹きつける海の風には...
石川啄木 「漂泊」
...刃物(はもの)のような風がぴゅうぴゅうと吹きつける...
海野十三 「恐竜島」
...霏々と吹きつける雪に頬をうたせながら...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...プラタナスの落葉の吹きつける百貨店の飾窓(ウインド)に...
谷譲次 「踊る地平線」
...暴風の夜にかすかな空明りに照らされた木立を見ていると烈風のかたまりが吹きつける瞬間に樹の葉がことごとく裏返って白っぽく見えるので...
寺田寅彦 「颱風雑俎」
...今では戸口へ吹きつける風の音も雷(かみなり)の響も歇んで...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...▲鹿の糞霧の吹きつけるなかを山蔭へおりる...
長塚節 「鉛筆日抄」
...くち惜しきふるまひをしたる朝あららんらんと降りしきる雪を冒して一目散にひたばしるこのとき雨もそひきたりすべてはくやしきそら涙あの顏にちらりと落ちたそら涙けんめいになりて走れよひたばしるきちがひの涙にぬれてあららんらんと吹きつけるなんのふぶきぞ青き雨ぞや...
萩原朔太郎 「ふぶき」
...西から強く吹きつける...
堀辰雄 「七つの手紙」
...煙を行灯(あんどん)の灯に吹きつけるようにしながら...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...すこしひどく吹きつけると忽ち木端微塵である...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...絶えず吹きつける北北西の風に積るひまもなく...
山本周五郎 「いさましい話」
...海から吹きつける寒い風に曝(さら)されながら...
山本周五郎 「初蕾」
...吹きつける粉雪が...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...吹きつけるのであった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...そして木の葉ばかりを吹きつける雨戸の音でないと思うて聴いてゐたのであつたが...
若山牧水 「木枯紀行」
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