...で一軒の家が野天(のでん)に風の吹きさらしになってるのは...
伊藤左千夫 「落穂」
...可愛いゝでせう?ランク 吹きさらしでお喋りをしてゐちやいけませんよ...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...あの山奥が敵の巣窟だと睨みつつ枯田の吹きさらしの中に佇むこともあった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...吹きさらしの野、夜明けの暗い人気のない町は、よけい寒さがこたえるのでした...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...吹きさらしの中に夏衣を着て震えながら住んでいたら...
永井隆 「この子を残して」
...風は吹きさらしに吹いてこの小屋の中を過ぎるのだが...
永井隆 「この子を残して」
...氷柱の下がる吹きさらしの壕舎に...
永井隆 「長崎の鐘」
...吹きさらしの焼け跡の石の上に瓶や皿や鏡のかけらなどを並べ...
永井隆 「長崎の鐘」
...あの吹きさらしの飛行場の寒風の中で...
中谷宇吉郎 「寺田寅彦の追想」
...何のさえぎるものもないところに吹きさらしに突っ立っているのだ...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...風が髻(もとどり)の解けた髪を吹きさらして...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...北向きの吹きさらしな停車場は一方から猛烈に雪をふきつけられるので片側だけ真白になっていた...
堀辰雄 「菜穂子」
...風がもろに当たる大通りは吹きさらしになり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日白魔」
...この! 何時来るとも解らない列車を待ちながら凝然と吹きさらしのプラツトホームに立つて三角のタヴレツトを捧げてゐるこの駅長に僕は痛烈な皮肉を感ぜずにはゐられない...
牧野信一 「日記より」
...運転台は吹きさらしである...
宮本百合子 「キュリー夫人」
...対手のしゃりこうべを火葬場の寒い吹きさらしの灰の中からほじくり出して...
室生犀星 「しゃりこうべ」
......
室生犀星 「星より來れる者」
...二「こんやの宿屋(やどや)はどこにしようか」額堂(がくどう)は吹きさらしだし...
吉川英治 「神州天馬侠」
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