...誰がこの否む可(べか)らざる目前の事実に驚異せずにはいられよう...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...否むしろむづかしいと云ふよりも夢想であるかもしれない...
伊藤野枝 「人間と云ふ意識」
...またもとより天才的芸術家の特殊の官能を尊重することを否むものではないが...
津田左右吉 「偶言」
...すなわち人民のために設けたる社会にあらずして社会のために否むしろ領主およびその臣族たる武士のために設けられたる人民なり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...否むしろ、それに気づこうとはしなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ただ自分の価値だけによるのであろうか? 否むしろ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...否むしろそれらの仮装の荷物は...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...否むしろ自由詩はかかる形式主義に反対し...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...否むしろ、叙事詩(エピック)の真の魅惑は、その悲痛感によって尽きるのである...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...否むしろ揚々として自得の色あるはどうか...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...否むしろ同一現在同一自己の中に全く包括され...
波多野精一 「時と永遠」
...(二) Physica, 219 a.一七ここに時間性の或る程度の克服のあることは否むべくもない...
波多野精一 「時と永遠」
...否むしろ不気味な静寂は...
浜尾四郎 「黄昏の告白」
...これが必然的に凶作否むしろ平年作の起るや直ちに圧縮されてしまうということほどに...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...感覚的な美が一つの美であることを誰か否む者があろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...素質をまで否む事は到底出来ぬ...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...劉表は、まだ甚だ釈然としない気色であったが、良(かいりょう)の事理明白なことばに、否むよしもなく、「目通りはかなわん...
吉川英治 「三国志」
...樹下石上も否むべきではない...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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