...私はそこでは否むべからざる宿命の感じにおびえねばならぬ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...現在の私達の周囲にさへさう云ふ事実が沢山あることを否む訳にはゆきません...
伊藤野枝 「嫁泥棒譚」
...装飾としての意味が存することを否むことはできまい...
津田左右吉 「芸術と社会」
...すなわち人民のために設けたる社会にあらずして社会のために否むしろ領主およびその臣族たる武士のために設けられたる人民なり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...眼一ぱいに否むしろ顏一ぱいに不安そうな物問いたげな色を浮かべながら...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...何ものかを感ぜしめる衝撃を潜ませていることを否むわけにもいくまい...
中井正一 「絵画の不安」
...否むしろ自由詩はかかる形式主義に反対し...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...否むしろそれが無ければ...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...否むしろ根源的體驗において有したる象徴性を取返へすことによつて...
波多野精一 「時と永遠」
...否むべくもなく流れていった...
正岡容 「寄席」
...否むしろ無理な注文かも知れぬ...
正岡子規 「病牀六尺」
...特に現実の上に立つ工藝の問題に対して深い示唆をもつことを否むことができぬ...
柳宗悦 「工藝の道」
...そうして知識的富者がかえって審美的貧者に陥ったことをどうして否むことができよう...
柳宗悦 「工藝の道」
...私はいかなる意味においても現代の社会が美を工藝に保証しなかったということを否むことができぬ...
柳宗悦 「工藝の道」
...実質的に最も正鵠(せいこく)を得た着想であるのを否むことができぬ...
柳宗悦 「工藝の道」
...良い品物の背後にはいつも道徳や宗教が控えているのは否むことが出来ません...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...否む理由はなにもなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...否むわけに行かない...
和辻哲郎 「人物埴輪の眼」
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