...別荘の人々には外で番をして吠える声が聞えるのである...
レオニイド・アンドレイエフ Leonid Andrejew 森鴎外訳 「犬」
...吠えるの類(たぐい)にちがいなかった...
太宰治 「春の盗賊」
...ひとがその傍を通っても、吠えるどころか、薄目をあけて、うっとり見送り、また眼をつぶる...
太宰治 「懶惰の歌留多」
...いつも吠えるのでした...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...その吠える声が、さきに米友が評した如く、「腹で吠えてやがる」という底力のある吠え声であることはよく知っているが、それが威嚇(いかく)の音声でないことは、多少とも尾を振っていることを見てもわかる...
中里介山 「大菩薩峠」
...お前の友達の吠える声も次第に近くなったぞ」捨(すて)ぜりふを残すと...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...吠えるところの犬は...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...昼のうちは空に一羽の雀が啼いても吠える...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...例の妖女(ウェーヂマ)が再び吠えるやうに言つた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...吠えるな――調子つぱづれの塩辛声をそろへて俺様達の耳を掻き回すとは身の程知らぬガチヤ/\虫奴!」「やり切れねえから眠る振りをしてやつてゐたんだぞ...
牧野信一 「武者窓日記」
...吠えるような歌いざまをして...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...或いは挑戦的に吠えるのであつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...そいつが吾輩の顔を見ると一斉に吠えるのを止めて...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...吠える呂布へ折重なって...
吉川英治 「三国志」
...飯のにおいに、黒は吠える...
吉川英治 「親鸞」
...その吠える声でこの谷間は蔽(おお)われていた...
吉川英治 「源頼朝」
...胆(きも)と眸(ひとみ)をすえて見るがよかろうぞ!」雷(らい)の吠えるような老公の声に...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...ある時は鋭く、ある時は息の詰る様に、唸る様に、吠える様に、悲しげに、恐ろしげに、意味も解らぬ片言がどこからともなく聞えて来る...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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