...禅房の一室夜いたくも更け渡りて孤燈沈々たる時、我ひとり冷えたる苦茗(くめい)を啜(すす)つて、苦吟又苦吟、額に汗を覚ゆる惨憺の有様を、最も同情ある顔付して柱の上より見守りたるもこの帽子なり...
石川啄木 「閑天地」
...成田山吟行、印旛沼(いんばぬま)を舟にて渡る...
高浜虚子 「五百五十句」
...そうして私の言葉を吟味している風なのに私は心穏(おだ)やかでなく「大屋五郎といえば...
高見順 「如何なる星の下に」
...私は顔を覆って呻吟(しんぎん)するばかりである...
太宰治 「服装に就いて」
...今この解法を吟味しようと思う...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...斬って捨つべきか否かを吟味して後...
中里介山 「大菩薩峠」
...急に我もと注文して後によくよく吟味すれば...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...先食餌を吟味し精々榮養のものを用ひ...
福澤諭吉 「養生の心得」
...太い体とは正反対の細い女のやうな声で流行歌の一節を口吟み始めた...
北條民雄 「間木老人」
...たゞひたすらに石をおもへり――と口吟(くちずさ)んで...
牧野信一 「晩春の健康」
...慶安元年板『千句独吟之俳諧』に「佐保姫ごぜや前すゑて立つ」...
南方熊楠 「十二支考」
...ちっと風変りな議論かもしりませんが鶯(うぐいす)を飼って好い声を出させようとすると大層食物を吟味して営養の多い消化の速いような摺餌(すりえ)を与えます...
村井弦斎 「食道楽」
...吟味可仕候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...白洲を見下ろして、吟味与力、高梨小藤次は、峻烈(しゅんれつ)に、「雲霧ッ」と、口を切った...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...丞相はあれでなかなか詩人なんです」そんな雑話なども賑わって酒雲吟虹(しゅうんぎんこう)...
吉川英治 「三国志」
...先生の吟によって今夜初めて耳にしたが...
吉川英治 「三国志」
...苦吟して書いていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...泣き伏しているお吟の襟元(えりもと)を睨みつけて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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