...その小卓子と向きあった麻のカバーのついた安楽椅子の中に...
海野十三 「地獄の使者」
...杜陽は恥かしそうに俯向いている綺麗な少女と向きあっていた...
田中貢太郎 「陳宝祠」
...「卓子(テーブル)の上に置け」とヴァランタンは見向きもせずに云った...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「秘密の庭」
...店の横にある往来向きの部屋で床に就(つ)いてしまった...
徳田秋声 「仮装人物」
...彼女はふり向きもしないで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...思わず向き直ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...火の番の拍子木を聞くと急に右へ折れて花岡の方へと真向きに行く――ここをふらっと行き尽せば灘田圃(なだたんぼ)だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...用向きもいわないで――と思っていると...
長谷川時雨 「明治座今昔」
...クルリと向うへ向き返ってしまった...
久生十蘭 「湖畔」
...と云つたばかりで二度とは見向きもしないでせう...
牧野信一 「青白き公園」
...日本でも貴族の奥向きで三ヶ日間ネズミと呼ばずヨメと替え名したのだ...
南方熊楠 「十二支考」
...いろ/\に染めたる紙の小切(こぎれ)に5100向き合ひて所を得させたれば...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...それは疾走中に急に向きをかえることができる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「若旦那が持っていらっしゃいました」七造はくるっと向き直った...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...秀之進は苦い顔をしてそっぽを向き...
山本周五郎 「新潮記」
...思わずわが身のうしろを脅かされて振向きましたが...
吉川英治 「江戸三国志」
...文彬(ぶんぴん)は花梨(かりん)の大机から向き直って...
吉川英治 「新・水滸伝」
...振向きもせず急ぐ背へ...
吉川英治 「柳生月影抄」
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