...別室に妹の駆け込んだのを見向きもしない愛子の不人情さを憤る怒りと...
有島武郎 「或る女」
...村議の一人が注いで出す酒を見向きもせず...
犬田卯 「瘤」
...また太宰といふ男は馬場と對角線をなして向きあつたもう一方の隅の壁に背をもたせ細長い兩の毛臑を前へ投げだして坐り...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...去年こしらえた中形(ちゅうがた)の浴衣(ゆかた)を着てこっち向きに坐り...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...その上へ俯向きになったまま...
直木三十五 「南国太平記」
...あちら向きの妙齢の裸体美人を描いて(あちら向きだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...そのらしゃめん向きに出来ている一人だろう」と言われて...
中里介山 「大菩薩峠」
...この倨傲なる学徒には不向きであつた...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...健三はまた島田の方を向き直った...
夏目漱石 「道草」
...中坂の藤井重之進の内向きのことを調べているよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...分限者三芳屋の暮し向きの豪勢さも思ひやられます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...幾分上向きになつて...
北條民雄 「青年」
...猶予(ゆうよ)は認めないと言え」兵が敬礼して用向きに出発した...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...暮らし向きのいけないこともそれへ輪をかけて私の高座を暗いジメジメしたものにし...
正岡容 「初看板」
...あいにくそういう向きの女子は一人もない...
森鴎外 「安井夫人」
...ふり向きもせず突ッこくるように通り抜けたが,勘左衛門はびっくりして口を開(あ)いて...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...こちらへ頭を向けて、仰向きに倒れ、片手を伸ばし、右手で胸を掴(つか)んでいた...
山本周五郎 「山彦乙女」
...一学は振り向きもしない...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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