...若い士官は蛙のやうに霊魂(たましひ)まで吐き出しさうに...
薄田泣菫 「茶話」
...忽ちその贓品を吐き出してしまつた...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「若い僧侶の話」
...ぺっ/\と光子の顔へ吐き散らすと...
谷崎潤一郎 「少年」
...折にふれて吐き出したるたわ言共をかき集めたるものなり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...客を吐き出したり呑み込んだりしながら...
豊島与志雄 「悪夢」
...「はっ」七瀬は、そう、溜息とも、言葉とも、つかないものを、吐き出して、すぐ、二人の後方から、廊下を小走りに、走って行った...
直木三十五 「南国太平記」
...牛はげぶつとなにか吐きだしてはむにやむにやと噛む...
中勘助 「銀の匙」
...音も立てずに例の屏風(びょうぶ)の蔭からこっそりと再び姿を現わして、赤い舌を吐き、にったりと笑った、それがすなわち今のしつっこい業物です...
中里介山 「大菩薩峠」
...八」「?」「お栄の二の腕を見てもらいたかったのだよ」銭形平次は到頭本音を吐きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一杯一円のキング・オブを十杯もあの娘が呑んでくれたんですからね……ペッペッペッと吐きだしそうになってくる...
林芙美子 「新版 放浪記」
...何時でも相手の顔に唾でも吐きかけてやりたいほどの憎悪を覚える...
北條民雄 「無題※[#ローマ数字2、1-13-22]」
...フウフウと荒い息を吐きながら入つて来た...
牧野信一 「熱海へ」
...白い息を吐きながら氷つた道をコツコツ歩いてゐた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...いつまでもいつまでも辺りへ唾を吐きちらした...
正岡容 「寄席」
...口から火を吐きながら泳いでいる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...私は思いつくかぎりの罵言(ばげん)を吐き散らし...
山川方夫 「愛のごとく」
...黒い血を吐き、もがき苦しんで父が死んだのはそれから一時間もたたぬ後であったと言う...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...喰っただけの紅葉を吐き出していた...
吉川英治 「新書太閤記」
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