...お姫様が吐息をついているようじゃないか...
海野十三 「地底戦車の怪人」
...ナオミは噛(か)んで吐き出すように云うのでした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...夜あらしを孕む黒雲に吐かれて出でし夜半の月よみの光をほの見せて片破の影ものすごや...
土井晩翠 「天地有情」
...蔭口を吐(つ)かれていた...
徳田秋声 「あらくれ」
...身体の内部のものがすっかり吐き出されてしまったような...
豊島与志雄 「悪夢」
...とりとめもなき言語を吐き散らした上に引上げてしまったもののようでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼の乘つた上り列車が停車場へついた時に待つて居た下り列車が煙突から白く蒸氣を吐いて徐ろに出て行つた...
長塚節 「商機」
...今度は三度のものを時々吐くようになった...
夏目漱石 「永日小品」
...それでは他はみな擦(す)れ枯(か)らしの嘘吐(うそつき)ばかりと思って...
夏目漱石 「硝子戸の中」
......
一葉稿 「五月雨」
...寛先生は痛心の余り血を吐く様な歌を沢山詠んで居られる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...呼吸を朝霧の中に煙として吐き出した...
牧野信一 「疑惑の城」
...外に出ると堀田は、居酒屋の内幕ばなしをはぢめたが、お君のことに移ると、吐息をのんで、「僕は、他に野心もなにもないのだが、あの家の為には出来るだけのことを仕度いと思つてゐるのさ...
牧野信一 「露路の友」
...フーッと吐息を洩らした...
正岡容 「寄席」
...どんな毒気を吐き散らして...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...荻原はほっと吐息をして...
水野葉舟 「北国の人」
...宿禰は吐息を吐いて長羅の前から立ち去った...
横光利一 「日輪」
...口のつばきを吐(は)きちらして...
吉川英治 「神州天馬侠」
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