...いやに文字(もんじ)の間(あひだ)をくツ付けて模様(もやう)のやうに太く書いてある名題(なだい)の木札(きふだ)を中央(まんなか)にして...
永井荷風 「すみだ川」
...これは名題の庚申(かうしん)横町ぢやありませんか」「はてね」「小石川の庚申横町て言や知らない者はありやしません」「俺は知らないよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...王子のお瀧といふ、名題の女巾着切、二十四五の豊滿な肉體と、爛熟し切つた媚態とで、重なる惡事をカムフラージユして行く、その道では知らぬ者の無い大姐御です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...名題の箒(はうき)で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...名題の箒(ほうき)で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...平次が名題の岡つ引と聽いて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...名題の色師(いろし)ですよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...名題の『小便組』だといふ噂を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...名題の毒婦とわかりましたよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お梅といふいろは茶屋の名題の女が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この名題の色師の松五郎と仲が良くなつたので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...名題の因業(いんごふ)な金貸しから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この邊も名題の神田御臺所町で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...名題の悪で通って居る佐良井などと結婚したかというと...
野村胡堂 「死の舞踏」
...門閥のやかましい社会へ、そう容易(たやす)く潜り込めるわけは、無かったのですが、勘当されて居るにしても、実家の家柄が光ってくれて、思いの外易々と猿若町の住人になりすましたばかりでなく、何年目かには、名題下の若手で、有望と言われる地位にまで経登って居りました...
野村胡堂 「百唇の譜」
...「御免下さいまし、あの、御免……」浅草中田圃(なかたんぼ)の、妹とふたり侘び住んでゐる浪人宝生栄之丞宅の格子戸の前へ、烈しい日の光りを浴びながら案内を乞ふてゐる、四十がらみの、スーツと背の高い、垢抜(あかぬ)けのした男は、吉原名題の幇間、阿波太夫(あはたいふ)でございます...
正岡容 「吉原百人斬」
...正徳元年板其碩(きせき)の『傾城禁短気(けいせいきんたんき)』に「この津の橋々に隠れなき名題の呂州(風呂屋女を指す)猿女上人」...
南方熊楠 「十二支考」
...狂言名題は其頃河原崎座で興行してゐたものに依つた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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