...ある名状しがたい心の疲労に...
芥川龍之介 「偸盗」
...ほとんど名状しがたい好奇心をもって...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...心のうちには名状しがたい感情が乱れた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...嫌悪(けんお)と愛情と嫉妬(しっと)と熱い憐憫(れんびん)との名状しがたい印象を心に受けた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...名状しがたい覚悟をなして...
中原中也 「在りし日の歌」
...九分の透明に一分の名状しがたいくもりをおびたような...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...池の形の名状しがたいように...
夏目漱石 「草枕」
...万歳がとまると共に胸の中(うち)に名状しがたい波動が込み上げて来て...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...これがために名状しがたい一種の圧迫を受けつづけに受けた...
夏目漱石 「門」
...名状しがたい表情が彼の顔を横切った...
葉山嘉樹 「死屍を食う男」
...その声には何か名状しがたい感動的な響きがこもつてゐた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...何とも名状しがたい気持ちを抱いて...
平林初之輔 「動物園の一夜」
...そして名状しがたい畏怖の念でガバと起き上った...
松永延造 「職工と微笑」
...その顔には名状しがたいような...
水野葉舟 「北国の人」
...笑ったりしている平穏な自分の内部に折々名状しがたい瞬間となって浮び出て来る...
宮本百合子 「寒の梅」
...私はまことに名状しがたい感にうたれた...
三好達治 「海辺の窓」
...名状しがたい苦悶になつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...何とも名状しがたい物音と凄愴(せいそう)の気にくるまれて来たのであった...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??