...心の裡(うち)に名状すべからざる喜を覺えき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...某の大臣が名状すべからざる侮辱を某の貴夫人に加えたという奇怪な風説が忽ち帝都を騒がした...
内田魯庵 「四十年前」
...何とも名状の出来ない殺気のようなものが立ち昇るのが感じられた...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...名状(めいじょう)し難(がた)き静けさ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...喞筒を第一防禦(ぼうぎょ)甲板へ搬(はこ)べ!」艦内は名状すべからざる事態であった...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...なんだかそこに名状のできない物足りなさあるいは一種のはかなさとでもいったような心持ちがするのを禁ずる事ができなかった...
寺田寅彦 「案内者」
...どことは明らかに名状し難いところに著しい類似がある...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...そして勇ましいこの戦(いくさ)の幻は一種の名状し難い...
寺田寅彦 「春寒」
...――それは殆んど名状し難い時間だった...
豊島与志雄 「蘇生」
...露骨な名状し難い人の好(よ)さしか現われていなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...実に名状し難い情緒に満ちてるものである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...其の瞬間に経験した奇異なる心況は殆(ほとんど)名状することの出来ないほど複雑なものであった...
永井荷風 「帝国劇場のオペラ」
...その唄と踊りの千差万別なることは名状すべくもありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...なんとも名状のできない踊りだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...その刹那に浮び出す母達の姿を想像すると無気味な恥と名状し難い怖れに襲はれて眼を伏せずには居られなかつた...
牧野信一 「村のストア派」
...相次ぐ内憂外患に今や何とも名状しがたい物騒がしさはほとんどその頂点にまで達していた...
正岡容 「小説 圓朝」
...その何物かはお常には名状することは出来ない...
森鴎外 「雁」
...名状し難い恐怖と始生代の謎が舫う地...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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