...心の裡(うち)に名状すべからざる喜を覺えき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...分けて谷の西向の斜面の土の色が名状の出來ない美しいものに見えた...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...飲んでみると名状の出来ぬ芳烈な香気が鼻と咽喉(のど)を通じて全身に漲(みなぎ)るのであった...
寺田寅彦 「重兵衛さんの一家」
...それにかかわらず何とも名状の出来ぬ一種の清新な空気が画面に泛(ただよ)うている事は極端な頑固な人でない限りおそらく誰でも容易に観取する事が出来るだろう...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...名状のできぬ暗い恐ろしい感じに襲われて夢中に駆け出して帰って来た事もあった...
寺田寅彦 「花物語」
...心のうちには名状しがたい感情が乱れた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...無限なるものと有限なるものとの人為的および神為的結合から生ずる名状し難いものを...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...名状すべからざる気分に溢れておりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...漠然と名状し難い臭気が充満しておりました...
西尾正 「墓場」
...何とも名状しがたい...
平林初之輔 「人造人間」
...名状するに堪えず...
福沢諭吉 「学校の説」
...特に一種名状することの出来ない強い凄い青光を放った...
武者金吉 「地震なまず」
...名状すべからざる夜であつた...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...一種名状の出来ない疲労を覚えると共に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...名状しがたい苦悶になつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...新たに名状し難い臭いに加わって現れた例の鼻が曲がるような奇妙な悪臭が...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...もう一つの名状し難い臭いの方はさっぱり判らなくなってしまった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...嫌悪すべき古代世界の秘教を束ねる名状し難い集団との関係が取り沙汰されている学者たちと昵懇であるという不愉快な報告があった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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