...喜びとも悲しみとも名状し難い...
芥川龍之介 「妖婆」
...漲ぎりわたる一種名状すべからざる異様の臭気を吸ふて...
石川啄木 「閑天地」
...脱がせられてしまった何とも名状しがたいいやな後味が...
犬田卯 「米」
...何とも名状(めいじょう)できないような叫喚(きょうかん)が...
海野十三 「俘囚」
...名状(めいじょう)し難(がた)き静けさ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...2.彼は錠を閉めたそして今しも怖ろしい話を聞いたばかりの子供が夜の階段を忍び行くやうな同じ名状し難い恐怖の念を抱きつゝ暗い梯子段を昇つて行つた...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...北方においてはポーランドをその柩(ひつぎ)のうちに釘(くぎ)づけにする金槌(かなづち)の名状すべからざる凄惨(せいさん)な響き...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...名状し難い一種荒蕪(こうぶ)な壮観を...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...露骨な名状し難い人の好(よ)さしか現われていなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...なんとも名状することができないのがあまりに不思議でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...九分の透明に一分の名状しがたいくもりをおびたような...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...名状し難い恐怖を覚えながら...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...何とも名状(めいじょう)しがたい...
平林初之輔 「誰が何故彼を殺したか」
...近頃都の数々のバーやタバンの発達は名状しがたき全勢振りにて...
牧野信一 「初夏通信」
...この名状しがたい感覚を...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何か圧縮された鮮明なしかしまた名状のしがたい感懐を覚えるのである...
三好達治 「柘榴の花」
...あるいは少なくともついさっきまであった――名状し難い状況の存在を...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...何とも名状のしようのない不愉快なことである...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
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