...又武士道徳の名残で気骨のある男子は婦人に親(したし)まんのを主義とする...
内田魯庵 「犬物語」
...今夜がいよいよお名残でございますね...
谷崎潤一郎 「細雪」
...そうした混雑は明治の初年の空気の名残であったということが出来るであろう...
田山花袋 「日本橋附近」
...下町(しもまち)は昨日の祭礼の名残で賑やかな追手筋(おうてすじ)を小さい花台をかいた子供連がねって行く...
寺田寅彦 「高知がえり」
...この本陣と呼ぶのは戦国の名残であること勿論である...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...石を囲(めぐら)した一坪ほどの水溜りは碑文に言う醴泉(れいせん)の湧き出た井の名残であろう...
永井荷風 「葛飾土産」
...明治の矢場はその名残で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...暴風(あらし)の名残で...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...今頃出来る事はなんでも皆美しかった先祖の代の悲しい名残ですわ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...と言おうよりもむしろダ行がかつてはもっとラ行に近かった時代の名残ではないかと思っている...
柳田国男 「海上の道」
...後者が子供にも親にも珍重せられた名残で...
柳田國男 「食料名彙」
...居住を認められていた名残でもあった...
柳田國男 「地名の研究」
...公文給(くもんきゅう)と呼んでいるのは古い名残であるのに...
柳田國男 「地名の研究」
...古く行われていた名残であろうと思っています...
柳田國男 「日本の伝説」
...今この近郷六月朔日に燎火(にわび)を焼くはその時の名残である云々(新編武蔵風土記稿百九十一)...
柳田国男 「年中行事覚書」
...他の一方を太郎と呼んでいた名残で...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...狐を招いてきてもらった名残であって...
柳田国男 「山の人生」
...今もなおゲラニヤの花の咲き競っている風景はカイゼルの名残である...
横光利一 「欧洲紀行」
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