...又武士道徳の名残で気骨のある男子は婦人に親(したし)まんのを主義とする...
内田魯庵 「犬物語」
...石を囲(めぐら)した一坪ほどの水溜りは碑文に言う醴泉(れいせん)の湧き出た井の名残であろう...
永井荷風 「葛飾土産」
...所々が劇(はげ)しく光線を反射して余所(よそ)よりも際立(きわだ)ちて視線を襲うのは昔し象嵌(ぞうがん)のあった名残でもあろう...
夏目漱石 「幻影の盾」
...明治の矢場はその名残で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これが今年の名残でしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...暴風(あらし)の名残で...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...夏中の病気の名残と又今度の名残で倍も倍も抜けて仕舞う...
宮本百合子 「秋毛」
...今頃出来る事はなんでも皆美しかった先祖の代の悲しい名残ですわ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...あれは過ぎ去った霊なる物の名残です...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...と言おうよりもむしろダ行がかつてはもっとラ行に近かった時代の名残ではないかと思っている...
柳田国男 「海上の道」
...それが地理局の大事業の唯一の名残である...
柳田國男 「地名の研究」
...公文給(くもんきゅう)と呼んでいるのは古い名残であるのに...
柳田國男 「地名の研究」
...古く行われていた名残であろうと思っています...
柳田國男 「日本の伝説」
...極度に人心を引付けていた名残でもあるかと想像せられる...
柳田国男 「年中行事覚書」
...他の一方を太郎と呼んでいた名残で...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...正(まさ)しくその名残である...
柳田国男 「山の人生」
...狐を招いてきてもらった名残であって...
柳田国男 「山の人生」
...今もなおゲラニヤの花の咲き競っている風景はカイゼルの名残である...
横光利一 「欧洲紀行」
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