...最も神の為に同情するのは神には自殺の出来ないことである...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...幸徳傳次郎に同情することか』『そんな無茶な事を言つては困る...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...心の底から同情するものはひとりもないのだ...
伊藤左千夫 「廃める」
...それは丁度意地の悪い姑が他家の姑の嫁いびりの話を聞いて其嫁に同情するものと何の違ひもない...
伊藤野枝 「最近の感想」
...其(その)皮一重下に秘(かく)るゝ苦痛は如何ばかりぞと思ふと実に同情する子...
内田魯庵 「犬物語」
...同情するには同情するが生憎(あいにく)僕にも金がない」という...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...私には何うしても同情することのできない気質をもつてゐた...
徳田秋聲 「余震の一夜」
...すべての美しくして高遠なるものに同情するなまけ者の大食らいなのである...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...この道庵に於ては大いに同情するところがある...
中里介山 「大菩薩峠」
...暗に亡ぼされた宗徒に同情する人々の心情を慮つて...
長谷健 「天草の春」
...三人の母の彼女の至上の宝は夫であり、彼女の夫の無上の満足は妻としての彼女を持つことだが、そのためには幾人かの犠牲者に、同情するひまも、一滴の涙もこぼしてやる余裕もなかった...
長谷川時雨 「竹本綾之助」
...いくぶん同情するほうへ傾きかけていたが...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...お互に朽(く)ちた木に同情する仲間があるのだ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...村瀬は却つて部屋の人達に同情するかのやうな思ひで眼を視張つた...
牧野信一 「女に臆病な男」
...この間あなたが仰云った「一生懸命さには同情するが」という言葉がその最も複雑な内容で思われます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...天もまた哀愁の人に同情するかのように...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わたしは人に感心するよりはむしろ同情するように...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...同情する者もあった...
吉川英治 「夏虫行燈」
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