...蜂屋柿を吊し柿に拵(こしら)へてゐた...
芥川龍之介 「一塊の土」
...弦三は、背中に、兄に贈るべきマスクを入れた包みを、斜に背負い、自分のマスクは、腰に吊し、歩きづらい道を、どうかして早くすすみたいと気を焦(あせ)った...
海野十三 「空襲葬送曲」
...哀れな妾のために汽車へ吊してやって下さい...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...さすが金の鯱(しゃちほこ)が空の上へ吊し上っている名古屋ッ児だけある...
中里介山 「大菩薩峠」
...夜になると能く吊しランプの側で髪を束ねた...
長塚節 「隣室の客」
...女の肌に頸から吊してあつた細い黒檀の数珠(じゆず)とその先きにぶら下つてゐる銅貨のやうなものがちらりと見えた...
長與善郎 「青銅の基督」
...それにランプやほやなどをいっぱい吊し...
新美南吉 「おじいさんのランプ」
...「ちょいとお邪魔いたします」忠助は縁に吊した三つの提灯に灯を入れて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...仙臺樣に吊し斬りにされた高尾を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...紅梅の枝に吊したおとり籠を睨んでゐた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...電話機の横手に吊した...
松本泰 「P丘の殺人事件」
......
松本たかし 「松本たかし句集」
...しのぶを軒に吊して雑巾で足を拭き了えると裾をおろして入って来られた...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...炉(ろ)の上に吊し...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...家中(うちじゅう)の者がモーターボートで島巡りに出て行くところを今朝(けさ)から見ていたので……そうして縁側の小松の蔭に吊してある...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...燦々と輝く電燈を吊した新興商店街を抜けると...
蘭郁二郎 「蝕眠譜」
...吊し責めから引っ張り責め...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
...おも屋の軒には小鳥の籠が吊してあった...
和辻哲郎 「夢」
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