...このさっぱり熱のない『ほんと?』の合の手から推して...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...皆組合の手に奪われてしまったのだ...
徳永直 「眼」
...合の手に他のことがはさまりはするが...
豊島与志雄 「囚われ人」
...襖を開けた次の間で、若い衆が、三人、膝を正して錦の金襴、唐草模様お馬は栗毛で、金の鞍さっても、見事な若衆振り「そう――それ、紫手綱で」富士春は、少し崩れて、紅いものの見える膝へ三味線を乗せて、合の手になると、称めたり、戯談(じょうだん)をいったりして、調子のいい稽古をしていた...
直木三十五 「南国太平記」
...古流居合の手で、所謂鞘の中に勝つ、抜かせて勝つ、という技巧であった...
直木三十五 「南国太平記」
...お玉の弾(ひ)きなす合の手が綾(あや)になって流れ散る...
中里介山 「大菩薩峠」
...かえってそれを合の手のようにして...
中里介山 「大菩薩峠」
...それで雪の降らぬ時は合の手として...
中谷宇吉郎 「雪」
...ワ――」「何んだいそのワ――てえのは?」「いきなり泣き出した聲色(こわいろ)で」「合の手が多過ぎるよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...叔母さんに朝のお菜(さい)を頼んで飛んで行つて見ると――」「合の手が多過ぎるよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...かねてこういう場合の手筈が定めてあったものと見え...
久生十蘭 「魔都」
...彼と他人との間の結合の手段に役立たないからである」(前掲書四〇――四一頁...
平林初之輔 「諸家の芸術価値理論の批判」
...合の手のキャンキャンが次第に大きく...
二葉亭四迷 「平凡」
...何の望みで生きてるのか分りゃしないじゃないか」母親の繰言に合の手を打ってビシャビシャビシャビシャ冷たい雨だれの音が四辺(あたり)に響いている...
宮本百合子 「一太と母」
...船島の試合の手口から考えて甚だおかしい...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...――もう追ん出しちゃったんだから」河合の手を組んで...
吉川英治 「松のや露八」
...河合の手へ返して...
吉川英治 「松のや露八」
...合の手見た樣に僅かに一度...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
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