...「吁(あ)ッ、川波大尉」駭(おどろ)いたように軍医はそれを遮(さえぎ)った...
海野十三 「恐しき通夜」
...「吁(あ)ッ――」と声をあげて...
海野十三 「振動魔」
...「吁(あ)ッ!」という叫びと共に...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...突如、「吁ッ、此処(ここ)に有(あ)った!」と、職人風の一人が両手をさあッと挙(あ)げて頓狂(とんきょう)な叫びを発した...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...又も思わず「吁ッ!」と叫んだ...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...環堵廓然として空宇人(ひと)を絶ち、茫々たる萋草(さいさう)晝尚ほ暗く、古墳累々として其間に横(よこた)はれるを見、猛然として悟り、喟然として嘆ず、吁、天下、心を傷(いた)ましむる斯の如きものあるか...
高山樗牛 「人生終に奈何」
...行者のことだから呪文か陀羅尼(だらに)のようなものを唱えているのかも知れないと、そう思って通り過ぎる人が多かったけれども、どうも呪文ではないらしい、普通の言葉で何かしゃべっているらしいと云う者が出て来て、追い/\町の人たちが聞き耳を立て、そうっと傍へ近寄ってそのひとりごとに注意すると、天下は天下の天下なり、関白家の罪は関白の例を引き行はる可(べ)きの事、尤(もつと)も理の正当なるべきに、平人(へいにん)の妻子などのやうに、今日の狼藉(らうぜき)甚だ以て自由なり、行末(ゆくすゑ)めでたかるべき政道にあらず、吁(あゝ)、因果のほど御用心候へ、御用心候へとそう云ってから、世の中は不昧因果の小車やよしあし共に廻りはてぬると、そう云う歌を二度三度繰り返して云っていた...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...吁何れにしても、要は各人の感性の問題で、「各感性は各感性也」と云はれれば文面上辻褄は合つてもゐようが、「各感性は各進化しつつある」現実の世界は、可動的グラヒカル・リプレゼンテーションとやいふらむか、而して、可動的グラヒカル・リプレゼンテーションは可動的である故に名附け難いので、人類は結局、同好の士、非同好の士と、アダムより我等が子々孫々に至るまで、最後の段階では情意的(気分的、間違へないでね)であり、高遠なる思索家とは、遂に貧血症のことだらうか?...
中原中也 「音楽と世態」
...しかし、それは、吁、何時ものやうにまた、結論には到達せずに終るであらう――といふことが一種の幻想のやうに彼の眼前を掠めた...
中原中也 「青年青木三造」
...かの infinite longing ですらこれを叙述する時には単に吁(ああ)とか嗟乎(ああ)では云いつくせないので...
夏目漱石 「創作家の態度」
...吁(ああ)お関は何をしてゐる事かと思ひやるばかり行過(ゆきす)ぎてしまひまする...
樋口一葉 「十三夜」
...吁(あゝ)お關(せき)は何(なに)をして居(ゐ)る事(こと)かと思(おも)ひやるばかり行過(ゆきす)ぎて仕舞(しまひ)まする...
樋口一葉 「十三夜」
...吁昭和改元以降の吉原情緒称揚の川柳はなくて曰く...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
......
正岡子規 「古池の句の弁」
...彼氏の縋(すが)った岩角がもろくも砕けて吁(ああ)っと思う間もなく...
百瀬慎太郎 「案内人風景」
...吁余与卿雲...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...吁嗟不能已...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...そうして吾れと自分の頭の毛を掻(か)きむしって――「吁(ああ)...
夢野久作 「白髪小僧」
便利!手書き漢字入力検索