...ユウゴオ吁(ふつく)として答ふらく「天才なり」と...
芥川龍之介 「骨董羹」
...突如、「吁ッ、此処(ここ)に有(あ)った!」と、職人風の一人が両手をさあッと挙(あ)げて頓狂(とんきょう)な叫びを発した...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...又も思わず「吁ッ!」と叫んだ...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...常人(つねなみのひと)ならば吁(あ)といひて逃(にぐ)べきに...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...御坊(ごばう)こそくせをいだしてふねこぎ玉ふらめ、吁(あ)、音(おと)たかししづかにいへ、幽霊を見るともかまへて音をたて玉ふな、といひつゝ手作(てさく)とて人にもらひたる烟草(たばこ)のあらく刻(きざみ)たるもやゝ吸(すひ)あきて、呻(あくび)に念仏(ねぶつ)を噛(かみ)まぜ頷(おとが)ひ撫(なで)まはししが髭(ひげ)をぬきて居たり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...女はみな吁(あ)といひてうつぶして愕然(おびえ)迷(まど)ひ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...吁、人は空名の爲に生れたるか、將(は)た行樂せんが爲に生れたるか...
高山樗牛 「人生終に奈何」
...吁々いつしか戀の淵に落ちけるなり...
高山樗牛 「瀧口入道」
...吁々、協(かな)はずば世を捨てんまで我を思ひくれし人の情の程こそ中々に有り難けれ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...吁是果真乎...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...ある朝庭を漫歩(そぞろある)きして居た彼は、「吁(ああ)、咲(さ)いた、咲いた」と叫んだ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...舞ひ(あが)り舞ひり吁(ああ)! はたして昨日が晴日(おてんき)であつたかどうかも...
中原中也 「暗い天候」
......
中原中也 「山羊の歌」
...噫吁戯(あゝあゝ)...
牧野信一 「浪曼的月評」
......
正岡子規 「古池の句の弁」
...丁度秋の半ば頃で庭には秋の草花が露に濡れて、眼眩(めまぐる)しい程咲き乱れていたが、姫は又もやお話の事を思い出して、吁(ああ)、あの花が皆善(い)い魔物か何かで、一ツ一ツに面白い話しを為(し)てくれればいいものを、彼(か)の林の中に囀(さえず)っている小鳥が天人か何かで、方々飛びまわって見て来た事を話して聞かせるといいいものをと独(ひと)りで詰(つま)らなく思っていると、不意に耳の傍で――「美留女姫、美留女姫」と奇妙な声で呼ばれたので、吃驚(びっくり)してふり向いた...
夢野久作 「白髪小僧」
...吁(ああ)...
夢野久作 「白髪小僧」
...そうして吾れと自分の頭の毛を掻(か)きむしって――「吁(ああ)...
夢野久作 「白髪小僧」
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