...「吁(あ)ッ!」という叫びと共に...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...突如、「吁ッ、此処(ここ)に有(あ)った!」と、職人風の一人が両手をさあッと挙(あ)げて頓狂(とんきょう)な叫びを発した...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...「吁(あ)ッ」と叫んで...
海野十三 「仲々死なぬ彼奴」
...一度は、「吁(あ)ッ、痛ッ!」と松山が大声で叫んだので、みると、指の尖端(とっさき)を口中に入れて舐(な)めていた...
海野十三 「麻雀殺人事件」
...常人(つねなみのひと)ならば吁(あ)といひて逃(にぐ)べきに...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...環堵廓然として空宇人(ひと)を絶ち、茫々たる萋草(さいさう)晝尚ほ暗く、古墳累々として其間に横(よこた)はれるを見、猛然として悟り、喟然として嘆ず、吁、天下、心を傷(いた)ましむる斯の如きものあるか...
高山樗牛 「人生終に奈何」
...吁、人は空名の爲に生れたるか、將(は)た行樂せんが爲に生れたるか...
高山樗牛 「人生終に奈何」
...吁々(あゝ)然(さ)に非ず...
高山樗牛 「瀧口入道」
...――吁々思ふまじ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...吁是果真乎...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...吁(ああ)彼女は死んだのか...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...吁何れにしても、要は各人の感性の問題で、「各感性は各感性也」と云はれれば文面上辻褄は合つてもゐようが、「各感性は各進化しつつある」現実の世界は、可動的グラヒカル・リプレゼンテーションとやいふらむか、而して、可動的グラヒカル・リプレゼンテーションは可動的である故に名附け難いので、人類は結局、同好の士、非同好の士と、アダムより我等が子々孫々に至るまで、最後の段階では情意的(気分的、間違へないでね)であり、高遠なる思索家とは、遂に貧血症のことだらうか?...
中原中也 「音楽と世態」
...かの infinite longing ですらこれを叙述する時には単に吁(ああ)とか嗟乎(ああ)では云いつくせないので...
夏目漱石 「創作家の態度」
...吁(あゝ)お關(せき)は何(なに)をして居(ゐ)る事(こと)かと思(おも)ひやるばかり行過(ゆきす)ぎて仕舞(しまひ)まする...
樋口一葉 「十三夜」
...父親(てゝおや)は先刻(さきほど)より腕(うで)ぐみして目(め)を閉(と)ぢて有(あり)けるが、あゝ御袋(おふくろ)、無茶(むちや)の事(こと)を言(い)ふてはならぬ、我(わ)しさへ始(はじ)めて聞(き)いて何(ど)うした物(もの)かと思案(しあん)にくれる、阿關(おせき)の事(こと)なれば並(なみ)大底(たいてい)で此樣(こん)な事(こと)を言(い)ひ出(だ)しさうにもなく、よく/\愁(つ)らさに出(で)て來(き)たと見(み)えるが、して今夜(こんや)は聟(むこ)どのは不在(るす)か、何(なに)か改(あら)たまつての事件(じけん)でもあつてか、いよ/\離縁(りゑん)するとでも言(い)はれて來(き)たのかと落(おち)ついて問(と)ふに、良人(おつと)は一昨日(おとゝひ)より家(うち)へとては歸(かへ)られませぬ、五日(か)六日(か)と家(うち)を明(あ)けるは平常(つね)の事(こと)、左(さ)のみ珍(めづ)らしいとは思(おも)ひませぬけれど出際(でぎは)に召物(めしもの)の揃(そろ)へかたが惡(わる)いとて如何(いか)ほど詫(わ)びても聞入(きゝい)れがなく、其品(それ)をば脱(ぬ)いで擲(たゝ)きつけて、御自身(ごじゝん)洋服(ようふく)にめしかへて、吁(あゝ)、私位(わしぐらゐ)不仕合(ふしあはせ)の人間(にんげん)はあるまい、御前(おまへ)のやうな妻(つま)を持(も)つたのはと言(い)ひ捨(ず)てに出(で)て御出(おい)で遊(あそば)しました、何(なん)といふ事(こと)で御座(ござ)りませう一年(ねん)三百六十五日(にち)物(もの)いふ事(こと)も無(な)く、稀々(たま/\)言(い)はれるは此樣(このやう)な情(なさけ)ない詞(ことば)をかけられて、夫(そ)れでも原田(はらだ)の妻(つま)と言(い)はれたいか、太郎(たらう)の母(はゝ)で候(さふらふ)と顏(かほ)おし拭(ぬぐ)つて居(ゐ)る心(こゝろ)か、我身(わがみ)ながら我身(わがみ)の辛棒(しんぼう)がわかりませぬ、もう/\もう私(わたし)は良人(つま)も子(こ)も御座(ござ)んせぬ嫁入(よめいり)せぬ昔(むか)しと思(おも)へば夫(そ)れまで、あの頑是(ぐわんぜ)ない太郎(たらう)の寢顏(ねがほ)を眺(なが)めながら置(お)いて來(く)るほどの心(こゝろ)になりましたからは、最(も)う何(ど)うでも勇(いさむ)の傍(そば)に居(ゐ)る事(こと)は出來(でき)ませぬ、親(おや)はなくとも子(こ)は育(そだ)つと言(い)ひまするし、私(わたし)の樣(やう)な不運(ふうん)の母(はゝ)の手(て)で育(そだ)つより繼母御(まゝはゝご)なり御手(おて)かけなり氣(き)に適(かな)ふた人(ひと)に育(そだ)てゝ貰(もら)ふたら、少(すこ)しは父御(てゝご)も可愛(かわゆ)がつて後々(のち/\)あの子(こ)の爲(ため)にも成(なり)ませう、私(わたし)はもう今宵(こよひ)かぎり何(ど)うしても歸(かへ)る事(こと)は致(いた)しませぬとて、斷(た)つても斷(た)てぬ子(こ)の可憐(かわゆ)さに、奇麗(きれい)に言(い)へども詞(ことば)はふるへぬ...
樋口一葉 「十三夜」
......
正岡子規 「古池の句の弁」
...彼氏の縋(すが)った岩角がもろくも砕けて吁(ああ)っと思う間もなく...
百瀬慎太郎 「案内人風景」
...そうして吾れと自分の頭の毛を掻(か)きむしって――「吁(ああ)...
夢野久作 「白髪小僧」
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