...その日、尼御台さまと、よもやまのお話のついでに、ふいとその事にお触れなさつたのでございますが、尼御台さまは、将軍家のそのやうなお心もちやんとお察しになつて居られたらしく、微笑んで、いいえ、やつぱりいけませぬ、故右大将の御時、すでに侍の受領は許さぬ方針に決して居りますから、と故右大将家の御先例をおだやかにお聞かせ申されたところが、将軍家には幾度もまじめに御首肯なされて、それから尼御台さまにあらたまつて御礼を申して居られました...
太宰治 「右大臣実朝」
...故右大将さまも、なかなかに御信心深く、敬神崇仏をその御政綱の第一に置かれて、挙兵なされて間もない寿永元年には、その重だつた御家来たちに御慫慂なさつて、おのおの神馬砂金を伊勢の大廟に奉献せさせ、また伊勢別宮たる鎌倉の甘縄神社にはそれから程なく御自身、御台所さまと共に御参詣なされたとか、そのうへ、御幼時から観音経や法華経を御日課として読誦なされて居られたお方だつたさうで、その御信心の深さのほどに就いては、いろいろと承つて居りますけれども、当将軍家もまた御襲職以来、伊勢内外宮を始め鶴岳、二所、三嶋、日光その他あまたの神社に神馬を奉納仕り、御参拝も怠らず、またその伊勢の大神の御嫡流たる京都御所のかしこき御方々に対する忠誠の念も巌の如く不動のものに見受けられました...
太宰治 「右大臣実朝」
...祖父の故右大将だつて...
太宰治 「右大臣実朝」
...故右大将殿の御嫡孫にして金吾将軍の二男なり...
太宰治 「右大臣実朝」
...その帰途右大将家が馬から落ちたことに就(つ)いて鎌倉では奇怪な噂をする者がでて来た...
田中貢太郎 「頼朝の最後」
...その噂とともに右大将家は病気になって...
田中貢太郎 「頼朝の最後」
...もし右大将家としたなれば...
田中貢太郎 「頼朝の最後」
...右大将家の声と思ったのは...
田中貢太郎 「頼朝の最後」
...鎌倉の右大将はまだ来ねえかね」と言いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「鎌倉右大将宇治山田守護職米友公」と書きましたけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...右大将が内大臣になった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...右大将は若い時からいっしょにいた夫人が年上であることなどから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...右大将は羽振りのよい重臣ではあるが今日の武官姿の纓(えい)を巻いて胡(やなぐい)を負った形などはきわめて優美に見えた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...次のは右大将が庭へ下(お)りて藤(ふじ)の花を折って来た時に...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...大内記は右大将の家に古くから使っている家司(けいし)の婿であったから秘密な話も耳にはいるのであろう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「右大将小松殿の御内(みうち)でも...
吉川英治 「親鸞」
...もう右大将宗盛(うだいしょうむねもり)や...
吉川英治 「親鸞」
...右大将に昇進した時なのである...
吉川英治 「随筆 新平家」
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