...可成(かなり)長い口髭(くちひげ)を蓄(たくは)へてゐられたやうに覚えてゐる...
芥川龍之介 「二人の友」
...可成(なるべく)くすんだ顔を人に見せまいと思つて...
石川啄木 「菊池君」
...可成(なるべく)早くお癒りにならなけや不可ませんね...
石川啄木 「鳥影」
...可成り正直に心からの聲を出して書いた事があつた...
今井邦子 「水野仙子さんの思ひ出」
...教師とすると採点の可成り辛い方であつた...
宇野浩二 「質屋の主人」
...可成雄弁に喋った...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...可成(かな)り残酷なしうちをした...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...愚かにも可成(かなり)頓狂(とんきょう)な声で...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...可成りの市街あり...
大町桂月 「石田堤」
...可成り大にして重し...
大町桂月 「上州沼田より日光へ」
...可成ひろい菊畠があるのを見附けた...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...外国ではかかる小説が可成りに広く深く民衆の中に根を張っている...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...可成公正な批判を下して画界に於ける翁の地位を確定して貰ひ度いのは...
菱田春草 「画界漫言」
...可成り盛(も)り澤山で...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...私は思はず拳を固めて鳴り具合を験べて見たい慾求を我慢するためには可成りの努力を要した位であつた...
牧野信一 「「学生警鐘」と風」
...頭上の空を鳴き渡る鴉のやうに可成り長く笑ふのであつたが...
牧野信一 「病状」
...と云ふのが僕の家は可成りの資産家で次男に生れた僕にも一生の生活には決して困らない丈けの分前がある所から大学を出は出たが...
村山槐多 「殺人行者」
...どうしてですか」「可成ばかりではない...
吉川英治 「新書太閤記」
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