...その歳の夏は可成り暑かった...
池宮城積宝 「奥間巡査」
...三人とも怎(ど)うしたものか可成(なるべく)口に出すことを避けた...
石川啄木 「鳥影」
...世間には可成に女を知りぬいたつもりで...
伊藤野枝 「新らしき婦人の男性観」
...私はその本を曾て可成り無理して手に入れた事実を思い出し...
上田広 「指導物語」
...可成(かなり)の時間を殆ど一瞬の様に感じたせいもあろうけれど...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...可成りひろくして...
大町桂月 「赤城山」
...県会議員選挙に立候補してお蔭で借金へ毎月可成(かなり)とられるので閉口...
太宰治 「虚構の春」
...隠居の志が可成り...
直木三十五 「死までを語る」
...僕は可成りあの男を反對にしやう/\と力めてゐる...
夏目漱石 「鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年」
...宗助(そうすけ)の頼(たの)んだ産婆(さんば)も可成(かなり)年(とし)を取(と)つてゐる丈(だけ)に...
夏目漱石 「門」
...私は可成所々――所々といつても東京附近だが――の温泉を歩いたが...
萩原朔太郎 「石段上りの街」
...可成り盛(も)り澤山で...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...可成りの慰めに違ひなかつた...
牧野信一 「「或る日の運動」の続き」
...可成り濛々と勢ひ強かつたが...
牧野信一 「月あかり」
...又しても小勝を引合にだすが只管達者な雑文家だつた彼のまくらの毒舌中には可成天晴れなものがあり...
正岡容 「大正東京錦絵」
...或寺院の一室を借りて可成り贅沢に暮して居た...
村山槐多 「殺人行者」
...可成は先に首を振って見せた...
吉川英治 「新書太閤記」
...蘭丸の老母――森三左衛門可成(よしなり)の後家の妙光尼(みょうこうに)と...
吉川英治 「新書太閤記」
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