...林檎が田舎娘のような可憐な薄紅色の蕾を武骨な枝に処せまきまで装い...
有島武郎 「フランセスの顔」
...ポケットから可憐な音が聞えた...
高見順 「いやな感じ」
...可憐な風情で慄え慄え泣きながら...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...この雑草の可憐な花が...
豊島与志雄 「砂漠の情熱」
...私は永代橋(えいたいばし)を渡る時活動する此の河口(かはぐち)の光景に接するやドオデヱがセヱン河を往復する荷船の生活を描(ゑが)いた可憐なる彼(か)の「ラ・ニベルネヱズ」の一小篇を思出(おもひだ)すのである...
永井荷風 「水 附渡船」
...可憐な花も咲かないし」「もうよい...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...可憐な恋が芽ぐんで...
野村胡堂 「古銭の謎」
...お澄のお鈴の可憐な美しさに心ひかれて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...申し分なく可憐な好ましい姿でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...現代に於ける可憐なる一つの存在である...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...わが庭の隅々にもそれと同じ可憐な花が一ぱい咲いているのに漸と気がついた...
堀辰雄 「卜居」
...可憐な娘を言葉巧みに慰めるなどといふ験しは嘗て私には無かつたことだ...
牧野信一 「競馬の日」
...愛嬌(あいきょう)のある可憐な点はだれよりもすぐれていると見ておいでになった人であるから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...可憐な少女(おとめ)の歌う声がする...
吉川英治 「三国志」
...可憐なかきつばたの花が...
吉川英治 「新書太閤記」
...可憐な緋の袴の舞童女二人に...
吉川英治 「随筆 新平家」
...可憐な姉弟(きょうだい)を取り返そうとする一心である...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...5やっと十七八らしいその可憐な花の如き女優は...
渡辺温 「絵姿」
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