...野薔薇(のばら)のような可憐な顔ではなく...
太宰治 「ろまん燈籠」
...故郷の鎭守の森の杉の木蔭のあちこちに簇生して居た可憐な藪柑子の姿は...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...その一方ではまた彼女たちの可憐な顏も瞳もきらきらと燃え輝いて...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...つきそうのは可憐な美少年...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...宗助はこの可憐な自白をどう慰さめていいか分別に余って当惑していたうちにも...
夏目漱石 「門」
...何といふ寡慾な、可憐な、愼ましい祈願であらう...
萩原朔太郎 「宿命」
...うまごやしにだって可憐な白い花が咲くって事を...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...可憐な子等は、長姉マリヤを中心にして、稚い眼で新聞を見、まはらぬ舌で、毎日の話題(トピック)を論じ、家庭新聞を作つて、「宰相を評したり」童話を寄稿したりして、興じあつてゐたと云ふ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...それはちょうど可憐な女の...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...可憐な娘の顔が見えたかと思うと...
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン Ernst Theodor Amadeus Hoffmann 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...可憐なる薔薇の花弁よ...
牧野信一 「青白き公園」
...シンデレラを讃(たた)う神につながる心持つ世にも可憐なシンデレラ雨風つよくあたるとも心の花は散りもせず...
水谷まさる 「シンデレラ」
...小川のような女心の可憐なかしこさ...
宮本百合子 「映画女優の知性」
...苦しめ苛まれ通しの可憐な此の魂の温まるまでは永い間かかつた...
室生犀星 「愛の詩集」
...ああいう可憐な女性によって...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...また何かしら可憐な気をも起させてくるのであった...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...のしかかる暴力へ可憐な爪をたてて拒んだが...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...六歳)など名を拾えば限りもないほど可憐な小児もいたのである...
吉川英治 「随筆 新平家」
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