...可也(かなり)懸隔(かけへだ)てのない友情が通つてゐた...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...理智的には彼女の心もちを可也(かなり)はっきりと了解した...
芥川龍之介 「湖南の扇」
...可也(かなり)菊池と隔(へだた)つてゐる...
芥川龍之介 「雑筆」
...舞蹈場は可也(かなり)広い...
芥川龍之介 「上海游記」
...僕等の語彙(ごゐ)はこの通り可也(かなり)混乱を生じてゐる...
芥川龍之介 「続文芸的な、余りに文芸的な」
...上り列車に間に合ふかどうかは可也(かなり)怪しいのに違ひなかつた...
芥川龍之介 「歯車」
...これに対して米軍の駆逐艦隊は可也(かなり)高い波浪(はろう)にひるんだものか...
海野十三 「空襲葬送曲」
...私のところは他の特許事務所よりも可也(かなり)たかいのです...
海野十三 「名士訪問記」
...『櫻は遠く眺めても可也...
大町桂月 「梅の吉野村」
...害を爲すものは殺しても可也...
大町桂月 「猫征伐」
...記するも可也、記せざるも可也...
大町桂月 「妙義山の五日」
...沈黙の花、可也...
太宰治 「もの思う葦」
...お島は可也(かなり)悶(もが)き争った...
徳田秋声 「あらくれ」
...可也(かなり)にこっぴどく殴り合った...
徳永直 「戦争雑記」
...則ち今囘の和協問題の如き其一發現なりといふも可也...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...三湯村は可也酔つて居た...
眞山青果 「茗荷畠」
...伊沢分家の古い法諡に、軒と云ひ室と云つて、ことさらに院字を避けたらしい形迹のあるのは、伊藤東涯の「本天子脱之後、居于其院、故崩後仍称之、臣下貴者亦或称、今斗之人、父母既歿、必称曰某院、尤不可也、蓋所謂窃礼之不中者也、有志者忍以此称其親也哉」と云つた如く俗を匡(たゞ)すに意があつたのではなからうか...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...若し蕉翁の什を以て禅味ありと曰はゞ可也...
山路愛山 「詩人論」
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