...そこらに転がってる珍らしくもないものを叮嚀に写して...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...その頃私は麹町區中六番町のある漢學先生の家に部屋借をして居りましたが、その使の人が來て私に會ひたいといふので、玄關に出て行きますと、叮重な挨拶で、是非先生にお目にかゝりたいといふのです...
薄田泣菫 「詩集の後に」
...誰でもが挨拶だけは成るべく叮嚀(ていねい)にしようとする...
薄田泣菫 「茶話」
...さうだつたか」と初めてあの叮嚀なお辞儀の理由(わけ)が判つた...
薄田泣菫 「茶話」
...延宝も小便(しゝ)に濡れた太守の着附のまゝで叮嚀に栗のやうな小さな頭を下げた...
薄田泣菫 「茶話」
...芹川さんに優しく叮嚀(ていねい)につき合っているつもりでいたのですが...
太宰治 「誰も知らぬ」
...よそよそしい叮嚀なお辞儀なんかするひとじゃないんだ...
太宰治 「パンドラの匣」
...髭には叮嚀(ていねい)に剃刀(かみそり)があてられている...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「秘密の庭」
...三度叮寧にお辞儀をした...
徳田秋声 「新世帯」
...「こんちは」といふ低い叮嚀な聲である...
長塚節 「教師」
...叮嚀(ていねい)に云えば云うで怒るし...
夏目漱石 「虞美人草」
...手巾の皺(しわ)を叮嚀(ていねい)に延(の)して四つ折に敷いた...
夏目漱石 「虞美人草」
...やがて三重吉は鳥籠を叮嚀(ていねい)に箱の中へ入れて...
夏目漱石 「文鳥」
...今夜満鉄のものが主人役になってあなたがた二三名を扇芳亭(せんぼうてい)へ招待したいからと云う叮嚀(ていねい)な御挨拶(ごあいさつ)である...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...ご叮嚀なお言葉で...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...叮嚀に膝をついて改めて頭を下げた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...その事を老先生にお尋ねする事を主治医の貴下にお許しを受けに伺った次第ですが……というナカナカ叮重(ていちょう)なお話であった...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...ほかの子供達とは違った慈愛の籠った叮嚀な口調で...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
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