...それも只の彫刻ではない...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...最初ポチツとした只の点のやうであつたその不安は...
新井紀一 「怒れる高村軍曹」
...只一ヶ所であった...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...只管(ひたすら)死病の自分に来るのを静かに待つてゐるのであつた...
相馬泰三 「夢」
...予(わし)は只(たゞ)もう齷齬(あくせく)とお前(まへ)を喜(よろこ)ばさうと念(おも)うて...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...只水脈に關しては隨分古くから研究家があるのであるが...
内藤湖南 「禹貢製作の時代」
...どうしても只では済まされない...
中里介山 「大菩薩峠」
...只管(ひたすら)或(ある)物(もの)を隱蔽(いんぺい)しようとするやうな恐怖(きようふ)の状態(じやうたい)を現(あらは)して居(ゐ)ながら...
長塚節 「土」
...只(たゞ)其上(そのうへ)を上滑(うはすべ)りに滑(すべ)つて行く丈で...
夏目漱石 「それから」
...只今は、また真名古と申すものが推参いたし、いろいろと、御名誉を損傷いたしましたようで、実に慮外なことでありまして、その者はもはや厳重なる懲戒処分に附しましたが、それにつきまして、こうして、われわれ両人が」息も絶え絶えといった体なんです...
久生十蘭 「魔都」
...中津に和蘭(オランダ)のスペルリングの読めるものが只(たっ)た一人(ひとり)ある...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...只悲しみばかりを多く感じる様になった...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...岩波文庫本の解説で、斎藤茂吉氏は「甚五郎という人物はやはり鴎外好みの一人と謂って好いであろう」と云っておられるが、鴎外はこの佐橋の生涯の行きかた、それへの家康の忘れない戒心というものを、只、好みの人物という視点から扱ったのだろうか...
宮本百合子 「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」
...「わたくしは只今からでも参りたいのでございますが...
室生犀星 「津の国人」
...あはよくば只で書いて貰へるなどと吝なことを考へるなかれ...
室生犀星 「俳句は老人文学ではない」
...輓詩(ばんし)は只一首のみ伝はつてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...云い知れぬ深い怨みをこめてシミジミ自分の心に伝わって来るのを只独り感じたのであろう...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...只種類と感じに就いて二三説明しておきたい...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
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