...人間の通れそうなところは只の一個所もない...
海野十三 「蠅男」
...村松検事只一人だったことを証明する者が沢山居た...
海野十三 「蠅男」
...小(ちひ)さい鞄(かばん)只(たゞ)一個(ひとつ)と...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...愈心惑ひて只茫然と野中(のなか)に彳(たゝず)みける...
高山樗牛 「瀧口入道」
...只纔に和蘭の學校讀本の中にチラホラ論じてあるより以上は知らなかつた...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...生活のただの表現や只の所産であるなら別だが...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...只今の試練に御堪えにならなければなりません...
豊島与志雄 「道化役」
...一膝すすんで「只今も...
直木三十五 「南国太平記」
......
長塚節 「土」
...さうだが」只(たゞ)此(これ)だけいつて寡言(むくち)な卯平(うへい)は自分(じぶん)の意(い)を得(え)たといふ樣(やう)に始終(しじう)窪(くぼ)んだ目(め)を蹙(しが)めて手(て)からは煙管(きせる)を放(はな)さなかつた...
長塚節 「土」
...與吉(よきち)は只(たゞ)苦(くる)しんで胸(むね)を掻(か)き(むし)る樣(やう)にしつゝ顛(ころ)がつて泣(な)いた...
長塚節 「土」
...十里ばかり北の濱より濱荻といふ所にかしづきて既に四とせになれど子もなくて只管に夫を手依りしものゝ...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...只今出ている十四年度前期(後...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...初めわたくしは只松崎慊堂(かうだう)が客中にあつただらうと云ふことを推測してゐた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...併し先生はインキを飜したのが氣に入らないから只叱つたのです...
森林太郎 「混沌」
...けれども只今、皆様方のいずれも由緒正しい御身分のほどを承りましたから、これからは皆様をそのようにあがめ奉ることに致します...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...只順序だけつないでおく...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...夜(よ)もオチオチ眠られぬくらい悩まされ続けておりますので……実は只今からそのお話をきいて頂いて...
夢野久作 「死後の恋」
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