「只」の意味
ただ、無償
小説での「只」の使い方
...紛失品は只の一つもなかった...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...只黒神村より熔岩縁に沿ひ瀬戸に至る間に於て西々北より東々南に走る一條の小段違(落差二三尺)あるを目撃せり...
石川成章 「櫻島噴火の概況」
...食事の問題が只美食の娯楽を本能とするならば...
伊藤左千夫 「茶の湯の手帳」
...僕たちは只(ただ)目を瞠(みは)るばかりだった...
海野十三 「宇宙尖兵」
...只今(たゞいま)もドクトル...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...家には只死に瀕した祖父一人...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...只彼女が生きてさえくれたら……...
豊島与志雄 「生あらば」
...島津は愚か、徳川も、或いは日本の国も、危急存亡の秋(とき)に立っているのが、只今の時世だ...
直木三十五 「南国太平記」
...どうやらお前さんも只者(ただもの)ではないようだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼等(かれら)の家(いへ)の門松(かどまつ)は只(たゞ)短(みじか)い松(まつ)の枝(えだ)と竹(たけ)の枝(えだ)とを小(ちひ)さな杙(くひ)に縛(しば)り付(つ)けて垣根(かきね)の入口(いりくち)に立(た)てたのみである...
長塚節 「土」
...女「只懸命に盾の面(おもて)を見給え」と云う...
夏目漱石 「幻影の盾」
...草茫々(ぼうぼう)の瓦礫(がれき)の跡に立って、只、ああと溜息(ためいき)だけをつかせてはならないのだ...
林芙美子 「晩菊」
...只いろんな気持を...
平山千代子 「「みの」の死」
...〔日本 明治31・3・1〕九たび歌よみに與ふる書一々に論ぜんもうるさければ只二三首を擧げ置きて金槐集以外に遷(うつ)り候べく候...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...只(ただ)ひとり...
宮原晃一郎 「子良の昇天」
...己は只自由といふものゝ詩趣を感じたのである...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...只その日その日の趣味的生活を貪って...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...……ゴンクール様……貴方は、わたくしが只、愛に溺れたために、嬢次様に欺されてこのような事をしていると思っておいでになるでしょう...
夢野久作 「暗黒公使」
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