...只御学友の若様方ばかりでお出遊しました」「なる程...
田澤稲舟 「五大堂」
...「只今(ただいま)彼方(あちら)で瀬越さん達にお引き合せ致しますが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...只今はどうしてるか分らないらしかった...
豊島与志雄 「死の前後」
...「手分けをして、急ぎの使に、行ってくれ」こう云いながら、自分の部屋へ入って、廊下の敷居際に、うずくまっている若党に、部屋へ入って来て、刀を受取ろうと、手を差出している女房に「お前は、近藤隆左衛門殿のお邸へ参って、只今、容易ならぬ使者が、殿より立ちますから、御覚悟なされますようと、申して参れ...
直木三十五 「南国太平記」
...只(たゞ)凍(い)ての酷(ひど)い冬(ふゆ)の夜(よ)などには以前(いぜん)からの持病(ぢびやう)である疝氣(せんき)でどうかすると腰(こし)がきや/\と痛(いた)むこともあつたが...
長塚節 「土」
...神官(しんくわん)は其處(そこ)に讀(よ)み至(いた)ると當日(たうじつ)の神社(じんじや)を只(たゞ)口(くち)の先(さき)でいふのである...
長塚節 「土」
......
樋口一葉 「別れ霜」
...(只今、自動電話、銀座の十二番から皇帝暗殺計画に関する重大な密告があるから警視総監に、という電話です)真名古は送話器の方へ走り寄り、「こちらはなるたけ話を長引かすつもりだから、八雲町の交番へ急報して、どんなことがあっても通話者を捕えさせろ...
久生十蘭 「魔都」
...それに対して菜穂子が只かすかなほほ笑(え)みを浮べながら...
堀辰雄 「菜穂子」
...こうした連中が心を合せて、正直、まっとうに暮して来ていた、父親を陥穽(わな)に陥(おとしい)れ、一家を離散させ、母親を自害させ、限りない苦悩のどん底に投げ入れたのだと思うと、雪之丞は、只、すぐに一刀に斬り殺したのでは、復讐心が満足出来なくなって来るような気がする...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...只今唯一の願いはせっかちでない手紙をかくということよ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...只偶(たま/\)曾能子刀自の話頭に上つたものを叙列することとする...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...只参考になると思う事とを...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...「只今(ただいま)帰りました」と...
森鴎外 「渋江抽斎」
...只(ただ)果物なぞを売っている店が十五六軒並んでいるばかりである...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...只赤い羽根を持って人間の声を出す鳥が居たらばと...
夢野久作 「白髪小僧」
...全く違った意味で入院しておいでになるのですから……」「……ボ……僕が……ほかの患者と違う……」「……さようで……あなたは只今申しました正木先生が...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...いわば敵の真(ま)ッ只中(ただなか)に...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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