...保存がいいのか古風ながら折目立っていた...
梅崎春生 「狂い凧」
...西洋の漁夫などがよく持っている魚油を燃やしてあかりを出すという古風な魚油灯でありました...
海野十三 「怪塔王」
...それからもう一つは、ある日、初代の墓参を済ませて、いつも歩き廻る場末(ばすえ)の町を歩いていた時、それは省線の鶯谷(うぐいすだに)に近い処(ところ)であったが、とある空地に、テント張りの曲馬団がかかっていて、古風な楽隊や、グロテスクな絵看板が好ましく、私はその以前にも一度そこの前にたたずんだことがあったのだが、その夕方、何気なく曲馬団の前を通りかかると、意外なことには、かの諸戸道雄が、木戸口から急ぎ足で出て行く姿を認めたのである...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...屋根の深い窓の少い古風な建物なので...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...板張りの上に古風な円座が並べられたに過ぎなかった...
江見水蔭 「壁の眼の怪」
...灰汁桶(あくおけ)の雫(しずく)やみけりきり/″\す 凡兆あぶらかすりて宵寝(よいね)する秋 芭蕉「桶の灰の中に水を入れて、下の口から少しずつ灰汁(あく)が落ちる仕掛になっている、古風な家のさま、その灰汁の音が何時(いつ)の間(ま)にか止(や)んでしまった...
高浜虚子 「俳句への道」
...高い高い穹窿(アーチ)形の格天井(ごうてんじょう)……そこに吊された何千年来のものともわからぬ古風な龕灯(がんどう)や...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...私達には何らの関係もない、古風な、過失的存在です...
谷譲次 「踊る地平線」
...その間に古風な農家や赤い屋根の洋館が点綴(てんてつ)していると云った風な所で...
谷崎潤一郎 「細雪」
...この古風な字がみなさんにもわかりやすいと思いますが...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「ライギット・パズル」
...古風な鉄瓶に湯を沸(たぎ)らせておいた...
徳田秋声 「挿話」
...それはふるさとの家の茶の間にかかっていた古風な物で私の幼い日の思い出に残っている...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...少し古風なエロキューションで続けました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...古風な博覽會かなしく ぼんやりとした光線のさすところで圓頂塔(どうむ)の上に圓頂塔(どうむ)が重なりそれが遠い山脈の方まで續いてゐるではないか...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...いと古風な櫓を掲げてゐた宮戸座のおもて構へを...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...古風な軍略では今時の合戦はでき申さぬ...
吉川英治 「新書太閤記」
...当時の群雄のなかでこの古風な主従関係の伝統を家康ほど確実に握っているものはなかった...
和辻哲郎 「鎖国」
...そうして古風な門の建築...
和辻哲郎 「城」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??