...ちと古風な事だけれど...
泉鏡花 「婦系図」
...高い天井には古風なシャンデリアが点いていたが窓外にはまだ黄昏(たそがれ)の微光が漾(ただよ)っているせいか...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...唐草(からくさ)模様の古風な鋳物の鉄のとびらをひらいて...
江戸川乱歩 「影男」
...古風な武家屋敷はだいぶ荒廃してはゐるが...
種田山頭火 「旅日記」
...しかもその古風な「たゝら」によらなければよい鋼が得られないといふ不思議なやうでもある...
田畑修一郎 「出雲鉄と安来節」
...今まであの店の部屋の古風な装飾なり...
寺田寅彦 「雑記(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...自然を其計画通りに強ひる古風な人(ひと)ではなかつた...
夏目漱石 「それから」
...星よりきれいな花の數泣くとお花が萎むぞえ泣かずにねん/\おしなされこの古風な歌を歌ひ終ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まるで古風なラッパのように埃(ほこり)っぽく悲しくなってくる...
林芙美子 「新版 放浪記」
...娘さんはせつせと古風なお嫁入りの着物を縫つてゐます...
林芙美子 「谷間からの手紙」
...一寸遠くから見ると古風な洋灯のやうにも見える...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...ひとにさんざん喋らせておいて……」「こんな古風な話を持ちこんでおれを嵌めようたって...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ひどく古風な本だの...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...*11ロブロン 腰に箍骨を入れた古風な婦人の衣裳...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...これは上州の奥の法師温泉――高村光太郎君によつて我々の間に紹介された古風な炭酸泉――に滞在中一日赤谷川の渓谷伝ひに三国峠へ登つたことがあつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...古風な狭い往来に織るような人通りが溢(あふ)れている...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...古風な哀れつぽさで取卷かれてゐる女主人公になつてしまつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...しかし彼にはなお古風な...
吉川英治 「私本太平記」
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