...渋味のある朱色(しゅいろ)でいや味のない古雅な色がなつかしい...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...そんな由来(ゆらい)や伝説の発生地にふさわしい古雅なおちついた境地でして...
上村松園 「女の話・花の話」
...自分ながら一寸ほほえましい古雅な図である...
上村松園 「北穂天狗の思い出」
...私のいままで見た事もない古雅な町が...
太宰治 「津軽」
...古雅な素朴(そぼく)な筆致とは思いのほかのものであった...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...幽邃(いうすゐ)なる寺院の境内より漏れ聞ゆる僧侶が讀經の聲と梵鐘の響とは古雅なる堂塔の建築と相俟つてこゝに森玄なる宗教藝術の美がつくり出される...
永井荷風 「十年振」
...うま酒を三輪の祝(はふり)のいはふ杉てふりし罪か君にあひがたきとある――また古事記の祭神の子が活玉依姫(いくたまよりひめ)に通(かよ)ったとある――甘美にして古雅な味が古くから湛(たた)えられているということは...
中里介山 「大菩薩峠」
...極めて古雅なる伎楽(ぎがく)の面(めん)に類したのもあるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...古雅な土佐風の絵に...
中里介山 「大菩薩峠」
...何で造ったものか素人(しろうと)には見当(けんとう)のつかんくらい古雅なものである...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...古雅な字体で「田牛」と彫ってある...
野村胡堂 「胡堂百話」
...「静かないい家でございますね」「たべものもなかなか悪くない」田舎家を思わせるような古雅な行燈をあいだにして坐ると...
山本周五郎 「新潮記」
...廂(ひさし)に吊ってある青銅の古雅な風鈴をはずして...
山本周五郎 「日本婦道記」
...沼のように森閑としたアルノ河は古雅な建物と雲とを映したまま...
横光利一 「欧洲紀行」
...ふと耳にはいって来たのは神楽殿の古雅な楽のしらべです...
吉川英治 「江戸三国志」
...たしかに古雅な匂いや色や情調の響きがあって...
吉川英治 「随筆 新平家」
...古雅な近衛舎人(このえとねり)たちの風俗を写した山神楽師(やまかぐらし)の...
吉川英治 「宮本武蔵」
...室町風の古雅な観月亭と廟(びょう)があって...
吉川英治 「宮本武蔵」
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