...この種の物は形が古雅で...
淡島寒月 「諸国の玩具」
...渋味のある朱色(しゅいろ)でいや味のない古雅な色がなつかしい...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...私のいままで見た事もない古雅な町が...
太宰治 「津軽」
...一種云ふべからざる古雅な端正さがあり...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...それがために物語はいっそう古雅な詩的な興趣を帯びている...
寺田寅彦 「春寒」
...それよりかわれわれは果していつまでわれわれ時代の古雅の趣味を持続して行く事ができるか...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...今日(こんにち)世界の都会中(とくわいちゆう)渡船(わたしぶね)なる古雅の趣(おもむき)を保存してゐる処は日本の東京のみではあるまいか...
永井荷風 「水 附渡船」
...何で造ったものか素人(しろうと)には見当(けんとう)のつかんくらい古雅なものである...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...古雅で仲々風流の味があるので...
萩原朔太郎 「所得人 室生犀星」
...しかして古雅幽玄なる消極的美の弊害は一種の厭味(いやみ)を生じ...
正岡子規 「俳人蕪村」
...われらをして言はしめば歌を詠むには優美にも詠め、雄壮にも詠め、古雅にも詠め、奇警にも詠め、荘重(そうちょう)にも詠め、軽快にも詠めといはんとす...
正岡子規 「人々に答ふ」
...為山(いざん)の表紙模様は蕗(ふき)の林に牛を追ふ意匠斬新(ざんしん)にしてしかも模様化したる処古雅...
正岡子規 「墨汁一滴」
...古雅な音が家中に反響して...
三好十郎 「冒した者」
...初めて見るビザンチン式の建築やモザイクの壁画はゴシツクやルネツサンス式以外に古雅な特色を有(も)つて居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...湯立(ゆだて)の舞の鈴と笛が太鼓につれて古雅(こが)な調べを合せておりましたが...
吉川英治 「江戸三国志」
...高麗茶碗(こうらいぢゃわん)の古雅(こが)を語り...
吉川英治 「新書太閤記」
...古雅な器(うつわ)に汲んだ緑色の飲みものを供えた...
吉川英治 「親鸞」
...古雅な太鼓や笛の音も...
吉川英治 「平の将門」
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