...この種の物は形が古雅で...
淡島寒月 「諸国の玩具」
...一種云ふべからざる古雅な端正さがあり...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...古雅な素朴(そぼく)な筆致とは思いのほかのものであった...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...厭な気取のないところに古雅な趣きをもつた奥の八畳が...
徳田秋聲 「草いきれ」
...然(しか)れども奥村(おくむら)一派の作に窺(うかが)ふべき柔和なる元禄時代の他の一面はここに一種古雅の風致となりて存せるものあり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...極めて古雅なる伎楽(ぎがく)の面(めん)に類したのもあるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...それは古雅の調べを失わない...
中里介山 「大菩薩峠」
...古雅な字体で「田牛」と彫ってある...
野村胡堂 「胡堂百話」
...杏仁水(きょうじんすい)などと同じような酸味のある匂いです」切手入れの古雅な塗物の中に...
野村胡堂 「死の予告」
...それ自身の響に於て古雅なクラシツクな感じをあたへる...
萩原朔太郎 「青猫」
...或る人は閑靜の古雅を愛して...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...古雅に長じて他に拙なる者...
正岡子規 「俳諧大要」
...しかして古雅幽玄なる消極的美の弊害は一種の厭味(いやみ)を生じ...
正岡子規 「俳人蕪村」
...為山(いざん)の表紙模様は蕗(ふき)の林に牛を追ふ意匠斬新(ざんしん)にしてしかも模様化したる処古雅...
正岡子規 「墨汁一滴」
...「静かないい家でございますね」「たべものもなかなか悪くない」田舎家を思わせるような古雅な行燈をあいだにして坐ると...
山本周五郎 「新潮記」
...ふと耳にはいって来たのは神楽殿の古雅な楽のしらべです...
吉川英治 「江戸三国志」
...古雅な近衛舎人(このえとねり)たちの風俗を写した山神楽師(やまかぐらし)の...
吉川英治 「宮本武蔵」
...偶然にも汽車の中で逢つたK氏は沿線の山を指さしながら「この附近の山の間には最も古雅な舞が残つてゐます...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
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