...それから僕はこの古手紙を指さし...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...古手拭を冠つた一人の老女(としより)に言つてゐる...
石川啄木 「足跡」
...臍(へそ)の緒(お)書だの父母の古手紙だのの重ねてある一番下に突っ込んでおいて...
谷崎潤一郎 「鍵」
...父は、古手ではあるが、黒い紋付の羽織を着ていた...
徳永直 「戦争雑記」
...古井戸の前には見るから汚らしい古手拭(ふるてぬぐい)が落ちて居た...
永井荷風 「狐」
...古手屋の屏風(びょうぶ)の破れにほの見えたのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...古手屋の遠助のあほうが...
新美南吉 「屁」
...顔ががまににている古手屋の遠助(とおすけ)である...
新美南吉 「屁」
...古手拭で鉢卷をした長五郎が入口からにゆつと顏を出して...
林芙美子 「うき草」
...いつも古手拭いの頬冠りなのに...
久生十蘭 「キャラコさん」
...役にも立たぬ一冊の古手帳のために夫婦は惨酷なる機会をつかんでしまった...
久生十蘭 「黒い手帳」
...それからカント……あの古手の大カントも例の散歩の道で殺されかけたのだぜ...
松永延造 「職工と微笑」
...思軒の友高橋太華が若干通の古手紙を買つた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...古手屋九兵衛の家に宿す...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...酒樽の古手奴...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...あの爺さんの古手拭を使いましたし...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...「――居留守なんて、古手だわよ、第一、君、自身ですら、女中にいないと言わせておきながらここにいるじゃないの...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...ふた間、三間ほど、家捜しして、足の踏み場もないほど家財調度のちらかっている中に、一個の鎧櫃(よろいびつ)のふたを開けて、佐々介三郎と江橋林助のふたりで、古手紙の束や、書類を選りわけていた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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