...それから僕はこの古手紙を指さし...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...古手拭と煙草(たばこ)道具と背負い繩(なわ)とを腰にぶら下げていた...
有島武郎 「親子」
...左は検定試験上りの古手の首座訓導...
石川啄木 「雲は天才である」
...新世紀に出た正宗白鳥君の『古手帳』の中に...
田山録弥 「神經家の言」
...その古手屋(古物商)のことをいつまでもおこりながら...
壺井栄 「二十四の瞳」
...戸棚(とだな)の中から古手紙の束を出して来て...
寺田寅彦 「球根」
...逓信省などに於ける放送協会などのような古手官吏の捨場もない...
戸坂潤 「社会時評」
...おかみさんは古手拭の頬冠を結び直し...
永井荷風 「買出し」
...役にも立たぬ一冊の古手帳のために夫婦は惨酷なる機会をつかんでしまった...
久生十蘭 「黒い手帳」
...我存在の中心を古手の思想に託して...
二葉亭四迷 「平凡」
...例の古手の旧式の思想に捕われて...
二葉亭四迷 「平凡」
...そしてその筆跡は彼にすぐこの間のメリメ書簡集のなかに発見した古手紙のそれを思い出させた...
堀辰雄 「聖家族」
...ソフィヤ村で、ナースチャはいつこのような白粉箱、香水箱、新聞、古手紙、毛糸の黒坊人形まである小机を見たことがあろう...
「赤い貨車」
...俺を引っかけようとしているトリックの浅薄(あさはか)さ加減はドウダ……そんな古手に引っかかる俺と思うか……と云いたいが今度だけは特別をもって引っかかってやる……その古手を利用してやる...
夢野久作 「冗談に殺す」
...小普請奉行の古手の方だ」「あります...
吉川英治 「大岡越前」
...中には古手紙やら絵図古書などの類もある...
吉川英治 「私本太平記」
...たった一片の覚え書と古手紙とをわきへ取りのけたきりだった...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...それらの反古(ほご)や古手紙は...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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