...その上には虫干しでも始まつたやうに古手紙が何本も並んでゐた...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...」と片手に燐寸(マッチ)を持ったと思うと、片手が衝(つ)と伸びて猶予(ため)らわず夫人の膝から、古手紙を、ト引取って、「一度お話した上は、たとい貴女が御不承知でも、もうこんなものは、」と※(ぱっ)と火を摺(す)ると、ひらひらと燃え上って、蒼くなって消えた...
泉鏡花 「婦系図」
...役人の古手の天下つたのか...
内田魯庵 「青年実業家」
...竹の皮や反古や古手拭なんかゞ...
鈴木三重吉 「胡瓜の種」
...臍(へそ)の緒(お)書だの父母の古手紙だのの重ねてある一番下に突っ込んでおいて...
谷崎潤一郎 「鍵」
...鍋蓋(なべぶた)、古手拭、茶碗のかけ、色々の物が揚(あ)がつて来て、底は清潔になり、水量も多少は増したが、依然たる赤土水(あかつちみづ)の濁り水で、如何に無頓着の彼でもがぶ/\飲む気になれなかつた...
徳冨盧花 「水汲み」
...父は、古手ではあるが、黒い紋付の羽織を着ていた...
徳永直 「戦争雑記」
...それに古手拭をさがし出して鉢巻の巻方も至極不意気(ぶいき)にすれば...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...質屋と古手屋のおちゃっぴいになって...
中里介山 「大菩薩峠」
...一束(ひとたば)の古手紙へ油を濺(そそ)いで...
夏目漱石 「明暗」
...古手拭で鉢卷をした長五郎が入口からにゆつと顏を出して...
林芙美子 「うき草」
...古手の嬉しがらせに仰せを惶(かしこ)みて御別莊に御機嫌をうかゞふまでの耻はさらさじ...
一葉 「暗夜」
...我存在の中心を古手の思想に託して...
二葉亭四迷 「平凡」
...従って何程(なにほど)古手の思想を積んで見ても...
二葉亭四迷 「平凡」
...なかには数通の古手紙と...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...古手紙を少し前方へ押しやって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...最初に昔日(せきじつ)高橋太華の掘り出した古手紙の事を語つた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...女が男文字の男名前なぞいうのは古手で...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??