...吾々の樂堂が古びた階段教室であらうとも...
會津八一 「音樂に就いて」
...太白の遺風の招牌が古びた...
芥川龍之介 「上海游記」
...彼等は壁も唐紙も古びた八畳の座敷に話してゐた...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...古びた怪塔は、まったくここに最新のロケットに形をあらためてしまったのです...
海野十三 「怪塔王」
...額も油繪を挂(か)けてゐるね」とコローム版の古びた額を文太郎は感心して見た...
高濱虚子 「續俳諧師」
...三四本の使い古しのヴァイオリンの絃をはった古びた木沓(きぐつ)を持ち...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...庄次は血を吸ひに集つて來る蚊を避けて古びた蚊帳の中にぽつねんとして居ました...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...机の上から蒔絵(まきえ)の古びた硯箱を取りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...井桁古びた天井に鼠の夢を驚かして今朝年越しの煤拂ひ...
萩原朔太郎 「煤掃」
...毎夜夜半まで官舎の古びた机に倚って孤影凝然と犯罪学(クリノロジイ)の研究に従っている...
久生十蘭 「魔都」
...――老人はいつか彼の前に古びた聖書を開いていた...
堀辰雄 「恢復期」
...――老人はいつか彼の前に古びた聖書を開いてゐた...
堀辰雄 「恢復期」
...ことに昔の本陣だつたままの家作りの牡丹屋や桝形(ますがた)の茶屋の古びた美しさや...
堀辰雄 「ふるさとびと」
...古びた屋並みのなかにもぐっている...
本庄陸男 「石狩川」
...時ならぬ賑(にぎわ)いが古びたお館をふいに明るくした...
本庄陸男 「石狩川」
...辺境の古びた城に静かに...
本庄陸男 「石狩川」
...古びたこの家の、何がなし手垢の染みたような感じが、哀しかった...
矢田津世子 「茶粥の記」
...彼へ手渡す例の古びた革(かわ)の巾着(きんちゃく)を...
吉川英治 「宮本武蔵」
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