...と言いつつ懐中から古びたコンパスを出して見せた...
太宰治 「地球図」
...古びた仁王像(千数百年前の作ださうな)に二喝された...
種田山頭火 「行乞記」
...古びた土瓶の中へ...
直木三十五 「南国太平記」
...市(いち)ヶ谷(や)谷町(たにまち)から仲之町(なかのちょう)へ上(のぼ)る間道に古びた石段の坂がある...
永井荷風 「日和下駄」
...そのだだっ広い古びた一間にお銀様は...
中里介山 「大菩薩峠」
...ひげ題目の古びた掛け軸...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...彼は古びたオーバーを着込んで...
原民喜 「廃墟から」
...ひっそりとした袋小路の奥にある六室ばかりの古びた平家だった...
久生十蘭 「悪の花束」
...思いがけない街燈の薄暗い光で、高い、古びた、虫の喰った、木造の長屋が、その間の道の見分け難いくらい思い思いのいろいろな方向へ、倒れそうにぐらついているのが見えた...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「群集の人」
...辺境の古びた城に静かに...
本庄陸男 「石狩川」
...後に壽阿彌が縫ひ附けた白羽二重の古びたのと...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...古びたこの家の、何がなし手垢の染みたような感じが、哀しかった...
矢田津世子 「茶粥の記」
...古びた下帯を覗(のぞ)かせ...
山本周五郎 「青べか物語」
...左が古びた襖(ふすま)...
山本周五郎 「竹柏記」
...墨絵の古びたのばかりである...
吉川英治 「大岡越前」
...手古びた矢立(やたて)が一本差しこんである...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...廟(びょう)の古びた壁にゆらゆらうごいた...
吉川英治 「親鸞」
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