...古びたちゃんちゃんを着てすわっていた...
芥川龍之介 「日光小品」
...古びた柱時計が二つ壁にかかっているのも...
海野十三 「火星兵団」
...彼は古びた船の帆布と古びた船布とで拵えた襤褸(ぼろ)着物を着ていた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...――彼の服袋はいつも變らぬ古びた木綿著物であつたがそれを飾らうといふ念は起らうともしなかつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...主人公の背中の處には少し古びた金屏風が立てゝあるのを...
高濱虚子 「俳諧師」
...青黒い顔色、白茶けた頭髪、窪んだ眼、少し開いた口、細堅い手足――枯木のような骨を石塊のような肉で包んだ、古びた、自然の断片――ああ、それは私を最も愛してくれる、そして私の最も愛する老祖母ではないか...
種田山頭火 「夜長ノート」
...縞(しま)の単衣(ひとえ)に古びた透綾(すきや)の夏羽織を着て...
田山花袋 「田舎教師」
...中条(なかのでう)の町はこの暑い平凡な空気の中に古びた板葺茅葺の屋根を見せて居た...
田山録弥 「草津から伊香保まで」
...蓮台は白木のままの古びた極くお粗末なものであった...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...坐舗の一隅(いちぐう)を顧みると古びた机が一脚据(す)え付けてあッて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...私のこの古びた獨身者の頸を神聖なる係蹄(わな)にかけ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その老夫婦はこの椅子一つのためにどんなに心をなやましたことであらうか?……それらの古びたいくつかの家具がしめやかに語りだすところの...
堀辰雄 「恢復期」
...そういう理由であたえられた城内の一つの古びた建物――有備館であった...
本庄陸男 「石狩川」
...古びた自転車に乗って...
ハンス・ランド Hans Land 森鴎外訳 「冬の王」
...古びた木綿縞の着物に半纒(はんてん)で...
山本周五郎 「夕靄の中」
...古びた一宿駅に過ぎなかった寒村が...
吉川英治 「新書太閤記」
...穿いてゐるのだかゐないのだか解らぬほどになつた時の古びた草鞋も難有(ありがた)い...
若山牧水 「樹木とその葉」
...いかにも上品な古びた村に眺められたのであつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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