...古びた小さい鏡臺が障子の前に置かれてある...
高濱虚子 「俳諧師」
...古びた蝙蝠傘(かうもりがさ)を持つて...
田山花袋 「朝」
...古びた、雨うたしになった、微(かす)かに、宝沢同行二人(ににん)と読める、所々裂け目のついた菅笠であった...
直木三十五 「大岡越前の独立」
...古びた夜(よる)の空気を顫(ふる)はし...
中原中也 「在りし日の歌」
...井桁古びた天井に鼠の夢を驚かして今朝年越しの煤拂ひ...
萩原朔太郎 「煤掃」
...ふと古びた小型のバイブルをとり出してみて...
原民喜 「秋日記」
...どれも古びた、すり切れた本で、厚表紙は真ん中でほとんどちぎれ、ただ紐(ひも)だけでやっとくっついていた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...窓と向かい合ってローズ材の古びた整理ダンスがあった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...古びた十字架が一塊り林立してゐた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...」三十七ファーンディーンの邸(やしき)は、森深く隱れた、よほど古びた、餘り大きくもなく、建築上の取柄(とりえ)と云つて別にないやうな建物(たてもの)であつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
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松本たかし 「松本たかし句集」
...――工場の古びた建物の前で...
山本周五郎 「青べか物語」
...持参の古びた帷子(かたびら)に...
山本周五郎 「山彦乙女」
...どこか古びた形骸に見える今宵だった...
横光利一 「旅愁」
...ここはお誂(あつ)らえにできている」と古びた喜連格子(きつれごうし)を見廻しています...
吉川英治 「江戸三国志」
...古びたままの小城とを享(う)けて...
吉川英治 「剣の四君子」
...古びた殿作(とのづく)りの屋根が...
吉川英治 「親鸞」
...そして網の周旋を頼むためにこんもりと樹木の茂つた神社の下の古びた邸にM――氏を訪ねて行つた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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