...鋭い口気(こうき)を籠めてこう云った...
芥川龍之介 「煙管」
...土口気泥臭味の語に出合った時に忽(たちま)ち僕の母の顔を...
芥川龍之介 「点鬼簿」
...それは同氏の作品の中にある道徳的口気(こうき)にも窺(うかが)はれるであらう...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...警(いまし)むるがごとき口気(くちぶり)もて...
泉鏡花 「海城発電」
...警(いまし)むるが如き口気(くちぶり)以て...
泉鏡花 「海城発電」
...ようやくのこと人びとの口気(こうき)できょうの土曜日(どようび)というに気づいた...
伊藤左千夫 「老獣医」
...此の人相実験の発頭人であり案内者であるくせに残花は『お前達には騙されないぞ』といふやうな顔を粧ふて較やもすれば馬鹿にするやうな口気があつた...
内田魯庵 「人相見」
...トルストイやドストエフスキーの偉大を認めつつも較(や)やもすれば軽侮する口気を洩(も)らし...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...新撰組の大将が頭を掻(か)いて閉口気味なのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...ところがどてらの方では全然こっちの責任でだいぶやってるような口気(こうき)であった...
夏目漱石 「坑夫」
...いつ死ぬか分らないものだからね」先生の口気(こうき)は珍しく苦々しかった...
夏目漱石 「こころ」
...それでないと何時まで経っても貴方が迷惑するぎりですよ」健三は迷惑を省いてやるから金を出せといった風な相手の口気(こうき)を快よく思わなかった...
夏目漱石 「道草」
...存分御笑いなさい」主人は不満な口気(こうき)で「第一気に喰わん顔だ」と悪(にく)らしそうに云うと...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...時には氤(いんうん)たる口気(こうき)に接して自(おの)ずから野鄙(やひ)の情も失(う)せ...
福田英子 「妾の半生涯」
...彼は坐り直して一寸と小悧口気な顔つきをしたが...
牧野信一 「吾家の随筆」
...口気(いき)を吹かば火焔を成し...
南方熊楠 「十二支考」
...一口気を吹き輪(めぐ)って戌(いぬ)に至ってこれを(つか)めば犬すなわち退き伏すと...
南方熊楠 「十二支考」
...大層褒(ほ)め囃(はや)して奨励するような口気(こうき)がある...
村井弦斎 「食道楽」
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