...左の口尻がつり上つたきりになつて...
有島武郎 「お末の死」
...思わず口尻を捻り上げて泣かせたりしました」と云って...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「あの顔」
...よく大坂人に見るやうに物を云ふ時その口尻に唾を溜める癖があつた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...口尻とそのまわりの筋肉がぴくぴく震えだした...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...口尻(くちじり)のしまつた円顔(まるがほ)...
永井荷風 「すみだ川」
...見れば濃い眉(まゆ)を青々と剃(そ)り眼の大きい口尻の凛々(りり)しい面長(おもなが)の美男子が...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...少し下唇の出た口尻の右側に...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...厚い口尻に深い窪(くぼ)みを刻みつけて...
長谷川時雨 「平塚明子(らいてう)」
...ソローピイがすぐにその口尻をうけて言つた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...助役がその口尻を捉まへた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...ホテリングの蒼い口尻に...
牧逸馬 「双面獣」
...口尻からだらだらと血を流し始めた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...かつ口尻明耀(めいよう)...
南方熊楠 「十二支考」
...」おつさんはしまりの無い口尻から涎をたらしさうな相好をして...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...口尻に唾の垂れさうな恰好で盃を含み...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...あたしゃそんな女じゃあありません」「これは瘡毒(そうどく)だ」去定は少女の口尻にある腫物(はれもの)を指(さ)した...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...口尻の切れあがった唇のあたりに...
山本周五郎 「風流太平記」
...切れあがった口尻や眼のあたりに愛嬌(あいきょう)があった...
山本周五郎 「風流太平記」
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