...同時に体(てい)の好(い)い口実に瀕死(ひんし)の子供を使ったような気がした...
芥川龍之介 「子供の病気」
...ろくに口もきかずに直ぐに上京を口実にかへりました...
伊藤野枝 「書簡 木村荘太宛」
...彼女は故郷の幼い弟に頼まれた飛行機の模型を買うのを口実に...
伊藤野枝 「わがまま」
...「それで口実になにをいうかと申しますと...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...さしたる病でもないのに母の病気を口実にいかぬということは...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...尤も「東京へ電話」と云ったのは口実に過ぎなかったのだけれども...
谷崎潤一郎 「細雪」
...―――少くともそれを口実にして」「うん...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...ベアトリスの仕事を邪魔するための十分な口実になると私が考えたもの...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「長い部屋」
...オットーは多忙を口実にして...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...寝そべってるのが自分だけでないというのが口実になるのであろう...
豊島与志雄 「風俗時評」
...引っ切り無しに逢っている口実にもなり...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...また口実に云(いわ)く...
福沢諭吉 「教育の事」
...公判廷の小さいこと! きっと大勢押しよせれば入れ切れないというのを口実につかうでしょう...
宮本百合子 「共産党公判を傍聴して」
...危険なる洋書もその口実に過ぎないのであった...
森鴎外 「沈黙の塔」
...よい口実になる」「オイ...
吉川英治 「大岡越前」
...わずかな河川の修復を口実にして大胆にこの工(こう)を起こした...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...彼は、寺詣りを口実に、ここへ遁(のが)れてくるのかもしれない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...私は昨夜借りて帰った懐中電燈を返すのを口実に...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
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