...病気を口実に結婚を延期するのも...
芥川龍之介 「疑惑」
...葉子は貞世がいつのまにか膝(ひざ)の上に寝てしまったのを口実にして人々を見送りには立たなかった...
有島武郎 「或る女」
...雑誌をはじめるということを口実に金を要求してきました...
伊藤野枝 「ある男の堕落」
...彼が遊ばないのを口実に全額でなくとも...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...何か忘れ物をしたと云う口実にて通りたるに相違なく...
コナンドイル Arthur Conan Doyle 三上於莵吉訳 「株式仲買店々員」
...宣言及綱領には賛成なれども研究会の会則は会員をして他の団体に加はるを禁ぜりとの口実に依りて入会を拒絶し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...口実に玩具を買ってきたことや...
豊島与志雄 「神棚」
...一つの口実にすぎなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...グラチアの娘に会いたいというのを口実にしてしばらくローマへ行ってみた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...寝そべってるのが自分だけでないというのが口実になるのであろう...
豊島与志雄 「風俗時評」
...茶壺を出した上に、十徳を出して、二度も、隠居せよと――大殿も、意地になって、隠居するなど、気振りもお見せになりませぬ、と、今度は、お為派崩れを口実に、密貿易を口実に、何処までも、隠居をさせようと、この強硬手段に出る以上、ただ、頼むところは、大殿のお心の固さ一つ、それを固めるのは、お方の、その腕一つ――吾々のためではござりませぬ、当家の存亡にかかわること...
直木三十五 「南国太平記」
...当座の口実に、新撰組や御陵士頭の名を仮りてみるだけのもので、最後に突きつめたお宿許の名乗りに、高台寺月心院の名を指したが、それとても、果して月心院で受けつけられるかどうかわかったものではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...もし先生がお仕事を口実に...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...おそらくは正当な口実に基づいて...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...もし不出来だったらそれを口実に殺しておしまいなさい...
吉川英治 「三国志」
...自分はまだ曹司(部屋住み)の身」というを口実に...
吉川英治 「私本太平記」
...こんな折こそ、口実にもなる...
吉川英治 「源頼朝」
...恐らくこの貿易は口実に過ぎないであろう...
和辻哲郎 「鎖国」
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