...……要するにそれは口実にしたんですわ...
泉鏡花 「婦系図」
...この結婚に不賛成だった藤原家の人々は私の落度を見つけてそれを口実に夫との間を割き...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魂の喘ぎ」
...市長に相談してくるというのを口実に...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...それを口実に休むのだろうと...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...あるいはそれを口実に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...」咄嗟に云い捨てた言葉を口実にして...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...母のことは口実に過ぎないということをわたしはそのとき悟らなかったのです...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...茶壺を出した上に、十徳を出して、二度も、隠居せよと――大殿も、意地になって、隠居するなど、気振りもお見せになりませぬ、と、今度は、お為派崩れを口実に、密貿易を口実に、何処までも、隠居をさせようと、この強硬手段に出る以上、ただ、頼むところは、大殿のお心の固さ一つ、それを固めるのは、お方の、その腕一つ――吾々のためではござりませぬ、当家の存亡にかかわること...
直木三十五 「南国太平記」
...天下のためという口実にて...
直木三十五 「南国太平記」
...討幕を口実にしようとしているが...
直木三十五 「南国太平記」
...出かけて行く口実にも窮してしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...所々身元宜者共へ攘夷之儀を口実に無心申懸け...
中里介山 「大菩薩峠」
...他の悪事を見て自家の悪事を恕するの口実に用いんとするが如きは...
福沢諭吉 「日本男子論」
...平和を口実にロシアが占拠するはずでした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...江戸じゃこの騒動を口実にして...
三好十郎 「斬られの仙太」
...口実に過ぎなかったか...
吉川英治 「篝火の女」
...案のじょう雍は軍議を口実にしてやって来ない...
吉川英治 「三国志」
...兄のあとを弔(とむら)うことを口実にして...
吉川英治 「新書太閤記」
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