...僕はその新聞記者が近く渡米するのを口実にし...
芥川龍之介 「点鬼簿」
...ロイヤル・オーク号事件にて少々健康を痛めたのを口実に...
海野十三 「沈没男」
...この結婚に不賛成だった藤原家の人々は私の落度を見つけてそれを口実に夫との間を割き...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魂の喘ぎ」
...「それで口実になにをいうかと申しますと...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...党からの一寸した挨拶を口実に...
豊島与志雄 「塩花」
...それはただ口実にすぎないことは明らかでありました...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...しかし丁度日曜日に当って夜学校を口実にも出来ない処から夕飯(ゆうめし)を済(すま)すが否やまだ日の落ちぬ中(うち)ふいと家(うち)を出てしまった...
永井荷風 「すみだ川」
...それはただ口実にすぎませんわ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...家庭教師のフランス人は息子が官途につく時期に達したというのを口実に解雇された...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その子を学校に入れたる趣意を述べて口実に設くれども...
福沢諭吉 「教育の事」
...もし先生がお仕事を口実に...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...それからそれへあんなものを口実にして飲まれたんぢや...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...雪之丞は、もとより廓内に足ぶみを、公けに出来ぬ役者の身、それを口実に、いい頃合いを見はからって、姿を消したのだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...と材木高を口実に...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その晩のことを口実にして別れましたがね...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...これに伴う苦痛のせいだ」「死がこわいのではなくて苦痛がいやなのだ」という弁解は嘘であり口実にすぎぬ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...案のじょう雍は軍議を口実にしてやって来ない...
吉川英治 「三国志」
...いいかげんな口実に...
吉川英治 「私本太平記」
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