......
高見順 「死の淵より」
...ぐらぐらした、手に負へない、いたづらに父親である彼の胸を暗くし、息をつかせない思ひをさせる、愚かな、口の達者な、だが何となく見捨て切れないもののある、それは彼自身の息子にちがひないが、あれほど入念に手塩にかけたつもりでゐながら、彼の手などは一つと云へども加つてはゐないといふ気のする、得体のしれないものだつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...安房(あわ)の国から出た口の達者な...
中里介山 「大菩薩峠」
...安房の国から出た弁信という口の達者な...
中里介山 「大菩薩峠」
...口の達者な怖ろしいほど勘(かん)のいい弁信という小法師のことであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうせ口の達者な貴夫には敵(かな)いませんから」健三はむしろ真面目(まじめ)であった...
夏目漱石 「道草」
...とうてい悪口の達者なお前には向かないね」こう云いながら叔父は...
夏目漱石 「明暗」
...筆を持つ術(すべ)を知らない叔父は恐ろしく口の達者な人であった...
夏目漱石 「明暗」
...ズーッとこっちへ通るがよい」おそろしく口の達者な四十男が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そのうち甥の兼吉は一番年上の三十前後、辯口の達者な、身柄を崩さない、内々では稽古所へも出入りしさうな、小意氣な男前です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
......
三好達治 「朝菜集」
...即ち「口の達者な鳥」に出たものである...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...勘が敏速で口の達者なこと...
山本周五郎 「思い違い物語」
...誰だと思う」「人間である」「知れたことを!」「訊く奴があるか」「口の達者な小僧め...
吉川英治 「新書太閤記」
...口の達者な日吉が...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索