...ヒタ/\と川原の石に口づけてゐる浅瀬にザブ/\と入つて行く...
石川啄木 「鳥影」
...ヒタ/\と川原の石に口づけてゐる淺瀬にザブ/\と入つて行く...
石川啄木 「鳥影」
...僕はそれを待っているぞ」ドレゴは水戸の両頬にいくども熱い口づけを残して...
海野十三 「地球発狂事件」
...活きた私語と口づけとを得るために...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...それにそのまゝ口づけて腹いつぱいに二度も三度も頂戴した...
種田山頭火 「行乞記」
...――・うぐひすうぐひす和尚さん掃いてござる・なんとよい日の苗代をつくること・山はしづかなてふてふがまひるのかげして・山かげふつとはためくは鯉幟・岩に口づける水のうまさは・若葉したゝる水音みつけた四月二十六日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...もう大丈夫! もう治つた!』かう言つて若い母親の悲しい口づけのあるあとを呉葉は經く撫でゝやつた...
田山花袋 「道綱の母」
...人のわびしく老ゆる時こゝろときめく口づけに若きいのちを吸はしむるなれは盡きせぬとよみきか...
土井晩翠 「天地有情」
...彼はそのかわいい子を抱き上げると、口づけをした...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「土色の顔」
...そして彼がぎらぎらと異樣に輝く眼差しをひたとナーヂャに向けたまま、小曲の最後の一節――今ははやためらいもなく御身の眼に見入りて、睦言を耳に聞く力も失せつ、唇(くち)さし寄せて、われ欲りす、口づけを、口づけを、口づけを!われ欲りす、口づけを、口づけを、口づけを!を歌い終えた時、ナーヂャはほとんど畏怖のためぶるっと身を顫わして、心もち身をすさったほどであった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...河波はひたひたと柳の枝に口づけをしていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...辛(から)きこの世にあまく得てしか熱き口づけ「これは少々僕には解しかねる」と主人は嘆息しながら迷亭に渡す...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...あまき口づけと対(つい)をとったところが私の苦心です」「よほど苦心をなすった痕迹(こんせき)が見えます」「あまいとからいと反照するところなんか十七味調(じゅうしちみちょう)唐辛子調(とうがらしちょう)で面白い...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...時々寒子の胸の菫の花束に口づけしてゐた...
林芙美子 「瑪瑙盤」
...雲のたゆたう丘の上(ヘ)にほろり散つたはべに椿呼べども逝つた春の日の悲しい私のゆめかしら柳の新芽もほの匂ひ燕も来たに口づけて水に流した木(モク)れんはどこへ流れて行つたやら...
森川義信 「帰らぬ春」
...衝突の度びに発する火華が口づけの変形とも成り深まって来るのだった...
横光利一 「旅愁」
...日の脚(あし)に口づけんとす...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...口づけを束にして...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
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