...利根の鉄橋を越えて行くに夏蕎麦(そば)をつくる畑干瓢(かんぴょう)をつくる畑などあれば埼玉や古河のあたりの夏蕎麥のなつみこめやもおほに思はゞ麥わらをしける廣畑瓜の畑葉かげに瓜のこゝたく見ゆるなど口ずさむ...
伊藤左千夫 「滝見の旅」
...アイノ古謠「蟲のくどき」を低い聲で口ずさむ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...幾度か味ひなほすやうにそれを口ずさむのだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...單調な沈んだ聲で獨り口ずさむのを好んだ...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...憂きわれをさびしがらせよかんこ鳥――芭蕉のこの句を口ずさむ...
相馬御風 「孤座」
...「親の在所が恋いしゅうて」と何気なく口ずさむうちにも...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...ドールン (口ずさむ)「月は夜ぞらを渡りゆく」……ソーリン わしはコースチャに...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...……(口ずさむ)たがいの恋の炎もて胸もえ立ちてあるならば……ヤーシャ...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...ロパーヒン (耳をすます)聞えないな……(小声で口ずさむ)「金(かね)のためならドイツっぽうは...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...そっと口ずさむ)シャルロッタ (ピーシチクにカードを一組わたす)さあ...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...……(小曲を口ずさむ)どうせ同じことさ……ピーシチク登場...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...単に小娘の口ずさむ浄瑠璃(じょうるり)のさわりの一ふしぐらいに...
中里介山 「大菩薩峠」
...何時もさう口ずさむのだ...
中原中也 「分らないもの」
...その歌はお前が家にゐる時好んで口ずさむあの歌だつた...
南部修太郎 「疑惑」
...近頃誰人も口ずさむキプリング氏の「西は西...
新渡戸稲造 「東西相触れて」
...そしてそれから私が何んということもなしに口ずさむことを好んでいた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...老人の竪琴弾きが口ずさむ歌...
三木清 「語られざる哲学」
...若い男の口ずさむ流行唄や...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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