...そっと北叟笑(ほくそえ)んだ...
太宰治 「走れメロス」
...『あゝ叟(おぢ)...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...ゲレーニャ騎將ネストール側に近寄り呼びさまし、其足あげて彼に觸れ彼を起して叱り曰ふ、『チュウデーデース、とく起きよ、などよもすがら睡り去る?知らずや原上高き場にトロイア軍勢陣を張り、 160わが水軍に近くして間(あひ)、寸尺の地あるのみ』しか叫ばれて將軍はすぐに床より立ち上り、羽ある言句陳じつゝ彼に向ひて答へ曰ふ、『叟(おぢ)よ、何らの健剛ぞ、倦まず勞務に常に就く、アカイア族の中にして君より齡若きもの、 165軍營遍ねく經りて、諸將おの/\呼びさます任務につかんものなきや?あゝ叟(おぢ)、君ぞ無双なる』ゲレーニャ騎將ネストール乃ち答へて彼に曰ふ『然かなり、友よ、君の言、皆悉く理に適ふ、優れし子らは我にあり、多數の部下もわれにあり、 170中のいづれか經りて諸將を醒ますことを得む...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...神の養ふ尊榮の叟(おぢ)よ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...今松山に居る野間叟柳氏などもこの人の門人だと聞いている...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...余は五叟、その次男、田中老人等と一時四十分熱海驛發臨時列車に乘る...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...先師慊叟(こうそう)カツテ予ニ語ツテ...
永井荷風 「向嶋」
...ひとり言の気焔と北叟笑(ほくそえ)みとが消えてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...シャクに含(ふく)む所のある長老達は北叟笑(ほくそえ)んだ...
中島敦 「狐憑」
...お星さんの家お星さんの家(うち)はお空の 上にお空の 上のお星さんの 家に小窓が一つ小窓の かげにお星さんは ねててあかりを つける小窓の かげにあかりが つくとお星さんの 家はぴかりと 光る新おとぎ唄(その二)三番叟――蜆の貝――かげ弁慶――だまり虫家(うち)にゐると三番叟(さんばさう)外へ出ると蜆(しじみ)の貝蜆の貝なら煮てたべな...
野口雨情 「未刊童謡」
...」と北叟笑み、既にもう手前が鎧武者になつた気で、アヌビスを賽銭拾ひに、また同志の悪党を悉く使丁に抜摘した太鼓隊を組織して、毎夜毎夜メイの店で手配を回らし、前祝ひの盃を挙げてゐたが、いよいよ期の熟した今朝となつてはあらゆる弁舌を弄して私に迫つた上、若しも私が云ふことを諾かなかつたならば、一思ひに腕力沙汰をもつて捻ぢ伏せてしまはうと決心し、今や二十人からの同勢が勢ぞろひをして手ぐすねひいて繰り出すところである――斯う聞くと私は、娘の手前といふばかりでなく、しつかりと武張つて、そいつは面白いや! とか、日頃の鬱憤を晴して目にもの見せずに置くものか! などゝ唸つたものゝ、何故か総身に不思議と激しい胴震ひが巻き起つて歯の根が合はなくなつた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...その他能楽の始めに翁(おきな)を演ずるに倣(なら)ひて芝居にても幕初めに三番叟(さんばそう)を演ずるが如き...
正岡子規 「病牀六尺」
...新楽閑叟(しんがくかんそう)...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...内藤恥叟(ないとうちそう)も『徳川十五代史』に書いている...
森鴎外 「渋江抽斎」
...この三番叟のお礼は村から米二俵がお定まりとある...
山本笑月 「明治世相百話」
...……なぞと独りで北叟笑(ほくそえ)みながら...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...「田野(でんや)の黄童(こうどう)や白叟(はくそう)が何を知ろうぞ...
吉川英治 「三国志」
...月叟(げっそう)伝心――九度山の幸村(ゆきむら)は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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