...取分け御姫様の御側からは御離れ申した事がないと云つてもよろしい位...
芥川龍之介 「地獄変」
...強慾で――いやその中でも取分け甚しいのは...
芥川龍之介 「地獄變」
...肉(チキン)を切って皿へ取分けてやる...
泉鏡花 「婦系図」
...取分け紳士の振舞をするものである...
薄田泣菫 「茶話」
...取分け或民族に徳性ありや否やと云ふ問題を考察するに當つては...
橘樸 「支那を識るの途」
...わけても最近の『文芸倶楽部(ぶんげいクラブ)』(大正四年十一月号)に出でし江見水蔭(えみすいいん)が『水さび』と題せし一篇の如き我身には取分けて興(きょう)深し...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...自分の取分をほかにして何が残りましょう...
中里介山 「大菩薩峠」
......
一葉稿 「五月雨」
...これを取分けて可愛しとにも非ず...
樋口一葉 「花ごもり」
...あなたの取分(とりぶん)の百分の一にもあたらないんだから」芳夫はポケットから「シアトル日報」という邦字新聞を抜きだして...
久生十蘭 「あなたも私も」
...お勢も今日は取分け気の晴れた面相(かおつき)で...
二葉亭四迷 「浮雲」
...といううちにも取分けてお政は不機嫌(ふきげん)な体(てい)で...
二葉亭四迷 「浮雲」
...昇に狎(な)れ親んでから、お勢は故(もと)の吾を亡(な)くした、が、それには自分も心附くまい※お勢は昇を愛しているようで、実は愛してはいず、只昇に限らず、総て男子に、取分けて、若い、美しい男子に慕われるのが何(なに)となく快いので有ろうが、それにもまた自分は心附いていまい...
二葉亭四迷 「浮雲」
...従って耕作者の取分となる分量は...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...もし労働階級が現在その受取分の半ば以上を租税に支払うとすれば...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...取分け酷目(みじめ)な目に逢はされたのは...
三島霜川 「解剖室」
...家も邸(やしき)も手広くして人出入さえ多き中に去年当家の若旦那が大学校を卒業されて文学士というエライお方になられたげなと評判隣村にまで広がりしより取分け人の訪(と)い来(く)る事多く主人夫婦は応接に遑(いとま)あらず「イヤこれは八兵衛(べえ)さんよくおいでだね」八兵衛「ヒエー...
村井弦斎 「食道楽」
...刺繍(ぬいとり)をする事が取分けてお上手だったそうで...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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