...取分けて此下宿の...
石川啄木 「菊池君」
...四合罎(しがふびん)に取分(とりわ)けて...
泉鏡太郎 「雨ふり」
...そういう時は自分の膝元へ引寄せてお椀(わん)の蓋(ふた)なり小皿(こざら)なりに肴を取分けて陪食させた...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...わけても最近の『文芸倶楽部(ぶんげいクラブ)』(大正四年十一月号)に出でし江見水蔭(えみすいいん)が『水さび』と題せし一篇の如き我身には取分けて興(きょう)深し...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...蚊いぶし火鉢に火を取分けて三尺の椽に持出(もちいだ)し...
樋口一葉 「にごりえ」
...これを取分けて可愛しとにも非ず...
樋口一葉 「花ごもり」
...取分けてお勢が母親に孝順(やさしく)する...
二葉亭四迷 「浮雲」
...といううちにも取分けてお政は不機嫌(ふきげん)な体(てい)で...
二葉亭四迷 「浮雲」
...取分けて昇が全く家内へ立入ったから...
二葉亭四迷 「浮雲」
...昇に狎(な)れ親んでから、お勢は故(もと)の吾を亡(な)くした、が、それには自分も心附くまい※お勢は昇を愛しているようで、実は愛してはいず、只昇に限らず、総て男子に、取分けて、若い、美しい男子に慕われるのが何(なに)となく快いので有ろうが、それにもまた自分は心附いていまい...
二葉亭四迷 「浮雲」
...従って耕作者の取分となる分量は...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...もし労働階級が現在その受取分の半ば以上を租税に支払うとすれば...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...いや螢の光ること飛んで來ること! 其の晩は取分け螢の出やうが多かツたやうに思はれた...
三島霜川 「水郷」
...そこで別に取分けてある上等のスープの中へ鳥の漉した肉七分に米三分の割合で入れて塩胡椒で味をつけて牛乳を五勺ほど加えてドロドロに煮る...
村井弦斎 「食道楽」
...家も邸(やしき)も手広くして人出入さえ多き中に去年当家の若旦那が大学校を卒業されて文学士というエライお方になられたげなと評判隣村にまで広がりしより取分け人の訪(と)い来(く)る事多く主人夫婦は応接に遑(いとま)あらず「イヤこれは八兵衛(べえ)さんよくおいでだね」八兵衛「ヒエー...
村井弦斎 「食道楽」
...看取分憂勤所職...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...その足跡の砂を取分けて各自の家に持還(もちかえ)り...
柳田国男 「山の人生」
...勝家の取分も減らして...
吉川英治 「新書太閤記」
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