...取るに足らない些細(ささい)なものであったにしても...
谷崎潤一郎 「細雪」
...理論的な用語としては全く取るに足らない迷信だ...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...下らない肉体的な過失くらいは取るに足らない...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...二十坪ばかりの取るに足らない庭だったが...
豊島与志雄 「父の形見」
...なあにほんの取るに足らない色恋の沙汰でございますから...
中里介山 「大菩薩峠」
...以前のことは知らないが、今こうして一代の名士となっている以上、愛嬌の程度までの心安立てならいいが、あんまり深入りしてはいけない、一旦は驚きのあまり、打解けてみても、物の頭(かしら)となっている人には、立てるだけは立ててやらなければ嘘だという世間学が、お角を急にしおらしい女にして、「では、今日は、これから山王様へ御参詣を致しますから、これで御免蒙ります、あんまり思いがけないところでお珍しくお行会い申しましたものですから、ついつい失礼な口を利(き)いてしまいました、取るに足らない、たしなみのない人間のことですから、御免下さいませ...
中里介山 「大菩薩峠」
...それ自体は取るに足らない出来事のことを...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...畢竟(ひっきょう)私が大阪に居る間(あいだ)は同窓生と共に江戸の学者を見下(みく)だして取るに足らないものだと斯(こ)う思うて居ながらも...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...まことに取るに足らないやうなもの...
堀辰雄 「春日遲々」
...全く取るに足らないとか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...取るに足らない作家だったとか何とかけなすのでは必してない...
宮本百合子 「紅葉山人と一葉女史」
...果たして地震鯰の伝説は取るに足らない迷信であるか...
武者金吉 「地震なまず」
...自分を取るに足らない平凡な人間だと思っている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...(b)わたしには(わたしはトランプでいえばクラブのジャックみたいな取るに足らない人間だが)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これくらいな気魄(きはく)があるとすれば――三木一城は取るに足らない小城としても――これは容易に陥ちるわけはない...
吉川英治 「新書太閤記」
...取るに足らない枝葉の問題を持ちだして...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...取るに足らない人物なのです...
吉川英治 「宮本武蔵」
...店は取るに足らない小店だが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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