...素行以外に取り柄のない青年は彼には用のない行人だつた...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...殆(ほとん)ど取り柄のないものである...
芥川龍之介 「僻見」
...体も彼女は殆んど取り柄がない程悪かつたのであります...
伊藤野枝 「背負ひ切れぬ重荷」
...かの女が經濟向に一種の才を持つてゐるのは唯一の取り柄だ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...まだしもそれだけ禪の取り柄だが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...あまり取り柄のない男ぶりだということは...
梅崎春生 「Sの背中」
...わたしは何の取り柄(え)もない人間だが...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...あの取り柄であった朗らかな調子もなくなっていた...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「グローリア・スコット号」
...主家の収入をぬすみてわがふところを肥やす気づかいなきがこの男の取り柄と...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...この認識論の唯一の取り柄は...
戸坂潤 「クリティシズムと認識論との関係」
...もう少し取り柄のある人だわ...
長與善郎 「青銅の基督」
...大して取り柄のある名前とも思わぬが...
野村胡堂 「胡堂百話」
...強(し)いて取り柄をいえば...
火野葦平 「花と龍」
...ほかに取り柄(え)もなし...
平林初之輔 「或る探訪記者の話」
...妾という人間に何か取り柄があったとすればそれだけが取り柄だったと誇っているのです...
平林初之輔 「華やかな罪過」
...顔以外に取り柄がないのかもしれない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...それが取り柄で苦楽座は始められたのだ...
三好十郎 「俳優への手紙」
...なんの取り柄もない...
吉川英治 「私本太平記」
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