...殆(ほとん)ど取り柄のないものである...
芥川龍之介 「僻見」
...罵倒しながらもかの女の子煩惱を取り柄として子供のことは委せ切りにしてあつた安心...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...かの女が經濟向に一種の才を持つてゐるのは唯一の取り柄だ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...観察がやや細に入りたるところを取り柄とします...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...たった一つの取り柄は...
太宰治 「答案落第」
...わたしは何の取り柄(え)もない人間だが...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...あの取り柄であった朗らかな調子もなくなっていた...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「グローリア・スコット号」
...この認識論の唯一の取り柄は...
戸坂潤 「クリティシズムと認識論との関係」
...併し局外批評論に就いて採るべき唯一の取り柄があるとすれば...
戸坂潤 「思想としての文学」
...この室は何も取り柄はねえが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...大して取り柄のある名前とも思わぬが...
野村胡堂 「胡堂百話」
...なんの取り柄もないヤクザ者であった方が...
火野葦平 「花と龍」
...ピエール・ロチはお人好しのほかに取り柄がないということが分かった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...自分を世間に出しては取り柄のない人間と見做(みな)して...
正宗白鳥 「假面」
...只熱情があるのが取り柄で...
宮原晃一郎 「スカンヂナヴィア文學概觀」
...だから別に何の取り柄もないバラモンの娘たちは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...頑固に陥っては取り柄がなくなるのである...
和辻哲郎 「孔子」
...この書の取り柄が若い情熱にあるとすれば...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??