...――こんな取りとめのない考えが...
芥川龍之介 「偸盗」
...泣いて泣いて泣き尽くした子供のようなぼんやりした取りとめのない心持ちで...
有島武郎 「或る女」
...何だか少しも取りとめのない心持で足も土についてゐない如く...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...美しい取りとめのないことをあれやこれやと考えようではないか...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...」彼はそれからしばらく取りとめのないことを言い...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...あとは取りとめのない世間話をしたに過ぎない...
谷崎潤一郎 「細雪」
...非常に親密なそしてまた非常に別個なまたある意味において大変に取りとめのないものでした...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...何かしらひどく取りとめのない...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...取りとめのない悲しいものとが...
直木三十五 「南国太平記」
...まことに取りとめのないものでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...が、そのうちに私は不意になんだか、こうやってうっとりと見入っているのが自分であるような自分でないような、変に茫漠(ぼうばく)とした、取りとめのない、そしてそれが何んとなく苦しいような感じさえして来た...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...ポンゴと取りとめのないおしゃべりをした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...総督は虫の好かないバラドスと取りとめのない話をしてから...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...取りとめのない空想に耽(ふけ)りだした...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...書きかけの英作文にも取りとめのない疑いのみしきりに起って容易に書続けられなかったので...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...(b)それにしてもわたしはここにこのような取りとめのない空想を書きつけながら...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...見ても大抵は愉快な考えから生ずる・取りとめのない・たわいもない・ことばかり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼は取りとめのない泡の消えるような音を聞きつづけている思いで...
横光利一 「旅愁」
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