...吾等人格の獨立は此の如き謙遜を反撥することによつて漸く初まるのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...眞正に輕蔑し反撥することを知る魂のみが...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...社會と自己とは相求め相反撥する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...――だが弁証法的論理学は決して形式論理学と互角に相反撥するのではない...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...所謂方法論などが仮定するように相互に反撥するものではない...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...烈しく反撥するのであろう...
中島敦 「斗南先生」
...それ無くば到底相交り難きむしろ相反撥する外なき二つの實在者の間に立ち...
波多野精一 「時と永遠」
...(暴力団が、大層、えらそうにしとる)威圧されそうなものに、反撥するように、金五郎は、強いて、心に、そう呟いた...
火野葦平 「花と龍」
...やっぱり、女って、男が頼りね」しんみりと述懐するお京の眼に、涙さえ浮かんでいるのではないかと思われたが、金五郎の方は、反撥するように、心のなかで、(なにをいうとるか...
火野葦平 「花と龍」
...どこか人を反撥するようなところがあるから...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...九鬼は何か反撥するやうな微笑をしたきり默りこんでしまつた...
堀辰雄 「聖家族」
...反撥する肌のにおいを感じていた...
本庄陸男 「石狩川」
...」フアウスト「おゝ余輩の胸には常に反撥する二つの魂が潜んでゐる...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...先ずその時分支配的であった小説における志賀直哉氏の影響を反撥することから...
宮本百合子 「落ちたままのネジ」
...そしてやはりそこに反撥するものがあった...
「おもかげ」
...苦労が足りないとか反撥する場合が多い...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そしてその題と著者の名をよみ下しただけで反撥する...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...日ごろの気がねも勃然(ぼつぜん)と反撥する...
吉川英治 「新書太閤記」
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