...まるで慈悲深い王様ででもあるやうに反りかへつてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...自分で屋根の反りなどを考え...
高村光太郎 「回想録」
...むしろ後ろに反りかえっていると言ってもいい動勢を有(も)っていた...
高村光太郎 「木彫ウソを作った時」
...見ると年は五十ぐらいで、身の丈は六尺もあろうか、のどの骨が突(と)び出し、おとがいが反り、頬が高く、唇が厚く、目鼻がすごく、顔の色が黒く、いかさま逞しそうな体つきで、次には私が話しましょうと云いながら、破れた布衣の袂のかげで大きな数珠をつまぐっているので、さあ、では早速に願いましょうと皆が促すと、不思議なこともあればあるものです、その上を、私が手にかけて殺したのですと云う言葉に、樊(はんかい)はきっとなって眼の色を変えたが、此方(こちら)は落ち着いて、まあ/\、これから委しく事の仔細を申しますから一と通り聞いて下さいと云う...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...土ほこりを浴びた板壁の板がひどく狂って反りかえっているのが多い...
寺田寅彦 「札幌まで」
...その先の方は簑の尾の尖端から下へ一寸(すん)ほども突き出て不恰好に反りかえっていた...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...思わず体が反りかえるような激痛を覚える...
外村繁 「日を愛しむ」
...」私は反り返って威張りだした...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...真赤な顔をして反りくり返った...
豊島与志雄 「子を奪う」
...こう少し反り身になってつくづく見上げるようにして...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...訊かない事までみんな饒舌(しゃべ)ってしまいます」「お前とは反りの合いそうな人間だ」平次は苦笑いしました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...少し反り身になって馬鹿騒ぎを眺めている...
久生十蘭 「魔都」
...ジリ/\と反りかへつてゆくかのやうな白い砂原だつた...
牧野信一 「熱い砂の上」
...反りかえって燃えながら渡ってゆく景色なのよ...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...黙って反りかえって盃(さかずき)を取った...
山本周五郎 「雨あがる」
...前に差し置いた大鉢には血の滴る大鯛が一匹反りかえって...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...」と東野はベンチへ反り気味に婦人たちの顔を見上げた...
横光利一 「旅愁」
...照り輝く砂の白さに調和した破風の反りを波うたせ麗しかった...
横光利一 「旅愁」
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