...之に反して、與へられたるものを實現する勞苦と誠實とを標準として人間を評價すれば、凡ての人の價値は主として意思のまことによつて上下するものである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...相反して見ゆる二つの極の間に彷徨(さまよ)うために...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...これに反して二十五節以下は沈痛悲寥(ひりょう)なる哀語である...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...彼が最後の頼みとしていたところに反して...
海野十三 「英本土上陸戦の前夜」
...それに反して僕はというと...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...これに反して窓のない部屋にいるときには外界と自分とのつながりはただ記憶というたよりない連鎖だけである...
寺田寅彦 「破片」
...この正経着実なる進歩に反してわが邦においてはこの数百年の長程を一瞬一息のうちに奔馳(ほんち)しついにこれがために数百年前封建の残余と数百年後文明の分子と同一の時代において...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...之に反して又、特に自然や社会・歴史・文化に関する単に経験的な諸科学に於ける二三の根本問題に就いての哲学的見解を意味する場合もあるのである(リッケルトの「科学論」)...
戸坂潤 「科学論」
...技術乃至技術学の何等かのイデオロギー的・社会的・政治的・経済的・制約は之に反して...
戸坂潤 「技術の哲学」
...之に反してこの普通一般で割って割り切れない剰余をば特異な偶然と考えている...
戸坂潤 「思想としての文学」
...それに反して、私は妙に真剣になりだしてくるのを感じた...
豊島与志雄 「月かげ」
...之れに反して旋律は形式をもたない...
萩原朔太郎 「青猫」
...しかもミシュレの表現が非常に道徳的な政治的な表現であるのに反して...
深瀬基寛 「悦しき知識」
...そういう征雄がどちらかと云うと一体に性質がおとなしすぎて困るのに反して...
堀辰雄 「楡の家」
...これに反して石は原と生きていた物が死んでも依然としてその遺骸が保存せられているという意味を表わしていて...
牧野富太郎 「植物記」
...これに反してプロレタリアートは歴史的な立場に立つ...
三木清 「歴史哲學」
...しかしこれに反して印度人の態度は見上げたものだった...
夢野久作 「冥土行進曲」
...冴え切った星空に反して...
吉川英治 「宮本武蔵」
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