...之に反して藝術至上主義の背景は現實に信頼するを得ざる厭世主義である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...『八犬伝』はこれに反してその作が洽く読まれて誰にも知られているから...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...之に反して、作文の点の悪かつたのは、何も私に作文の力が劣等であつた故とばかりは思はれぬ...
丘浅次郎 「落第と退校」
...これに反してドイツに古い意味での哲学科学の発達したのは畢竟(ひっきょう)かの国民の「頭の悪い」ため...
寺田寅彦 「映画時代」
...之に反して波荒き海と險しき大岩は苛酷の汝産みしなり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...非性格的概念は之に反して事物とは異った性格――概念としての性格――を有っている...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...これに反して前者は...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...後者は之に反して充足的――必然的とは区別される――に決定し得られる...
戸坂潤 「科学方法論」
...これに反して否定的な一面では...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...従来の歴史観の多くは何故か、結局民族乃至国民の概念を以て最後の範疇とした処のものであった、之に反して、元来政治的な唯物史観は、民族乃至国民の代りに階級の概念を取り上げる...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...之に反して都下の二流新聞は却って相対的に「自由主義」振りを発揮するというような奇観をさえ呈した程である...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...怖気(おじけ)ついてる世論と政府との意に反してたえず戦い...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それはトレヴサノがいっているように「時としては一見相反しているようにみえて...
中井正一 「美学入門」
...最初の予期に反し...
中島敦 「盈虚」
...これに反して、自然派等の小説が、作家の私生活を書いていながら、一般に客観的と評されているのは、その描写の態度が冷静であり、知的な没情感の観照をしているからである...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...命令に反して扉を開けた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...余りに予期と反した事情で少なからず面喰つた...
牧野信一 「公園へ行く道」
...しかし事件の判断をしばしば理性に反しても我々に都合がよいように曲げたり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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