...噂(うわさ)に依れば、このごろ又々、借銭の悪癖萌え出で、一面識なき名士などにまで、借銭の御申込、しかも犬の如き哀訴歎願、おまけに断絶を食い、てんとして恥じず、借銭どこが悪い、お約束の如くに他日返却すれば、向うさまへも、ごめいわくは無し、こちらも一命たすかる思い、どこがわるい、と先日も、それがために奥様へ火鉢投じて、ガラス戸二枚破損の由(よし)、話、半分としても暗涙とどむる術ございませぬ...
太宰治 「帰去来」
...此の大事の瀬戸際に又々ぐたりとうなだれて了いました...
谷崎潤一郎 「幇間」
...又々清三を極度に不快ならしめることがもち上った...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...局長はそれを取上げて読んでいたが又々大変な腹の立てようで...
久生十蘭 「魔都」
...私は又々苦しまねばならなかつた...
平山千代子 「転校」
...又々大入である...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...又々その車で「笑の王国」へ遊びに行く...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...それから又々麻雀にひっかゝってしまひ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...ウイスキー又々ちとのみすぎ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...又々東宝劇団公演中止の報告に行ってるから日がよくあるまいとのことで...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...夜の部又々大満員である...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...又々雨で東海道線不通...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...入りは又々大入満員...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...又々入り悪く惨たるもの...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...入りは又々四分位...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...云うがままに窓の前に席を取ると又々驚いた...
夢野久作 「近世快人伝」
...八日大山崎と申所へ浪人二人上陸一人無刀にて船頭の裝をなし人家有之處へ出かく金鼓のあひづにて村々百姓共駈集り捕へ申候一人山上に居候由山を卷候處此浪人年十九計支度も相應襷をかけ數人を相手に防ぎ戰ひ中々手利云々終槍にて刺殺申候大將らしき身なりの由に候水海道から鬼怒川すりあひの渡しを西へ越えた二十一人は、飯沼の弘經寺へ押入古間木(ふるまぎ)へ通り、倉持の杉山を經て鴻山で二手に別れ、十一人は芦ヶ谷を燒いて平塚に移り、又々放火、沼を渡つてから行方不明となつた...
横瀬夜雨 「天狗塚」
...川角(かわずみ)太閤記が誌(しる)すところの記述――秀吉ガ御馬ノ先手衆(サキテシユウ)、鑓合(ヤリアハ)セ申スト等シク、日向守ガ備ヘヲバ突キ崩サレ、一町バカリ引退(ヒキノ)ク処ヘ、又々、敵ノ先手詰(ツメ)カケ候ヘバ、秀吉、味方若シヤ押掛(オシカカ)ラレ可(ベ)クヤト思シ召(メシ)ケム、味方ノ鑓(ヤリ)ノ石突(イシヅキ)モ働カザル程、御馬印ノ瓢(フクベ)ヲ御詰カケナサレ、ソレヨリ又敵ヲ突キ立テラルとある辺りの情景は、まさにそのときの情景を描いて躍如(やくじょ)たるものがある...
吉川英治 「新書太閤記」
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